クーパー以上カントリーマン未満「MINIの新型」エースマン都市型を標榜する回答
ミニが新型車「エースマン」を日本初公開したのは、2024年6月。この秋になって納車が始まり、私もようやく試乗することができた。 【写真】単なる「オシャレなクルマ」ではなくなった新世代MINIシリーズの最新作 エースマンは、全長4mそこそこの車体を持つBEV(バッテリー駆動の電気自動車)でもって、新しい市場を作りだそうとしているモデルだ。ただし、「それだけが成功のカギになるとは思っていない」というのがミニの主張だ。 先に登場したミニ「クーパー」とミニ「カントリーマン」の中間的な位置づけで、特徴は都市で使いやすいコンパクトなサイズ。ミニではこの3モデルをあわせて“新世代”とする。
この“新世代”が意味するところは、おそらくプラットフォームとインフォテインメントシステムを含めた車両制御OS、それにデザインランゲージの基本コンセプトといったことを意味していると思われる。 ■写真と違った“いい意味”でのギャップ 実際、エースマンの内外装のデザインを見ると、クーパーやカントリーマンと共通する要素が多い。 大きなヘッドランプとともにグリルの輪郭を強調したフロントマスク、キャラクターラインを整理してシンプルに仕上げたボディ側面、内装では丸形のモニターや機能の多いインフォテインメントシステム、それにニット的な素材で覆ったダッシュボードといった具合だ。
写真で見ていたかぎりでは、オモチャ的な雰囲気を感じていたが、コペンハーゲンの試乗会で対面したエースマンにまったくそんな印象はなく、サイズを超越した存在感があった。 その理由は、おそらく19インチ径(オプション)のホイールと組み合わせたタイヤの踏ん張りと、張り出したホイールハウスまわりの黒いクラディング(オーバーフェンダー)、それに長いルーフとともに“薄さ”が強調されたキャビンといった要素の組み合わせにあるだろう。うまくデザインされている。
【写真】MINIシリーズの新機軸「エースマン」のデザインを詳しく見る(46枚) 「エースマンには当然、新しいイメージが必要でした。機能主義的なカントリーマンとスポーティなクーパーが両極で、その間に入るモデルとして扱いやすいサイズをセリングポイントにしました」 ミニで製品開発を統括するプロダクトマネージメントのジャッキ・フランソワ氏は、会場でコンセプトについて説明する。 「ただし、ミニがプロダクトの核に据えてきた“ゴーカートフィーリング”は継続して盛り込んでいます。ミニのイメージを牽引してほしいという思いをこめて、“エース”マンと名付けているだけに、ドライビングフィールが重要なのです」