今回はシリーズの中でもレアケース? 爽やかな余韻をかき消した衝撃の次回予告とは?『相棒 season23』第10話考察
毎週水曜夜9時より放送中のドラマ『相棒 season23』(テレビ朝日系)。国民的人気を誇るご長寿刑事ドラマの“黄金コンビ”が帰ってきた! 杉下右京(水谷豊)×亀山薫(寺脇康文)が、共に事件を追う。さっそく、第10話の内容を振り返っていこう。(文・Naoki)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】いつもの『相棒』とは一味ちがう…豪華キャストの貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『相棒 season23』劇中カット一覧
雨やどりが繋いだ出会い
右京「傘を使う日が待ち遠しいですねぇ」 『相棒season23』第9話「雨やどり」は温かなラブストーリーであった。 脚本は第3話「楽園」に続き、光益義幸が担当している。光益はS21から『相棒』を描き始めた新進気鋭の脚本家であるが、人情を描く事に特化しており、これまでも親子・師弟・友人関係を時に熱く、時に切なく描いてきた。そんな彼が恋愛要素をメインに据えるというだけで事前の期待値は高かったが、それに見事に応えた内容となった。 今回の物語は、洋傘職人の福本健吾(碓井将大)と右京が雨宿りで出会う事から始まる。 健吾は、想いを寄せていた女性・桐山塔子(青島心)が半年ほど前に姿を消してしまい、彼女を探して、初めて出逢った場所である美術館を訪れていた。 その翌日、スナックのママである佐伯美鈴(冨田直美)が殺害される事件が発生した。現場には健吾の作った傘があり、さらにそれが持ち去られたことが判明する。殺された佐伯は、結婚詐欺や募金詐欺を重ねていた悪人であるだけでなく、失踪した塔子の育ての親だった。 特命係は、健吾が事件に関与していると考え、捜査を開始する。
今回は『相棒』シリーズの中でもレアケース?
今回の見所は”若者の成長とラブストーリー”だ。 『相棒』シリーズにおいて、恋愛パートは基本的に陣川(原田龍二)が担っていることもあってか、S5「イエスタデイ」やS12「待ちぼうけ」などの中高年の恋愛が描かれることが多い。 かといって、これまで若者の恋の話が全く無かったわけではないのだが、偶にやったかと思えばS2「白い罠」やS6「この胸の高鳴りを」など悲哀に繋がるケースが殆ど。 そんな中で、今回は珍しくも健吾と塔子は裏表なく相思相愛で、かつ2人とも生き残ることができた。 美術館での雨宿りで出逢った2人。塔子に惹かれていく健吾は、彼女のボロボロの傘の代わりに自作の傘までプレゼントするようにもなる。 一方、塔子もまた健吾に惹かれる中、佐伯から健吾の実家にあるタペストリーを騙して奪うように命じられてしまう。塔子はそれを拒否したが、逆らった罰として酷い暴行を受ける。自身の置かれた環境に健吾を巻き込むまいと、自ら彼の前から去ったのだった。 それでも、健吾は塔子を探し続けた。遂に彼女が勤めるスナックに辿りつくも、佐伯は死亡しており、現場には塔子の傘が。健吾は塔子が犯人だと思い込み、庇うために傘を盗んで逃走した。 最終的に、佐伯を殺したのは、彼女が子飼いにしていた窃盗犯であることも判明。死ぬ前に佐伯によって監禁されていた塔子も、健吾の協力で救出することができた。