スルガ銀行の不正融資問題 有国社長が会見(全文1)過剰なノルマを全廃
シェアハウス融資などで多数の不正行為が行われていた問題で、スルガ銀行の有国三知男社長は30日午後、沼津市内で記者会見を行った。 【動画】スルガ銀行の不正融資問題 業務改善計画について記者会見(2018年11月30日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードはYouTubeのTHE PAGEチャンネル上の「スルガ銀行の不正融資問題 業務改善計画について記者会見(2018年11月30日)」に対応しております。 ◇ ◇
金融庁に対して業務改善計画書を提出
有国:当社は10月5日付、業務改善命令に【対しまして 00:01:15】、本日、金融庁に対しまして業務改善計画書を提出いたしました。お客さま、株主さまはじめ数多くの皆さまにご迷惑、ご心配をお掛けしましたことを、あらためてここでおわび申し上げます。申し訳ございませんでした。 それでは着席させていただきまして、ご説明をさせていただきたいと思います。 司会:本日はご多忙なところご足労いただきまして誠にありがとうございます。ただ今より、スルガ銀行業務改善計画について記者会見を行います。時間は1時間ほどを予定しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
問題の背景や根本原因などの説明
有国:それでは本日、皆さまのお手元にお配りしておりますペーパー、資料に基づきまして順を追ってポイントをご説明させていただきたいと思います。 当社は今回の処分を重く受け止め、経営全ての面につきまして抜本的な改革を行うべく業務改善計画を策定しました。業務改善計画の実行におきましては内部の資源のみならず、外部資源の積極的な導入および活用を進めてまいる所存でございます。 それではまず、お手元にお配りしております2ページ目、3ページ目からでございますが、今回の問題の背景と根本原因につきましてもう一度ご説明をさせていただきたいと思います。当社は創業家本位の企業風土が醸成され、短期的利益主義を、利益を追求するあまり、銀行および上場企業としての自覚が欠如し、ガバナンスならびにコンプライアンス体制が機能不全に陥り、顧客本位の業務運営の姿勢を欠く状況となっておりました。今回の不祥事の根本原因である創業家本位の企業風土を抜本的に改めることが改革の前提条件である、そういう認識をいたしまして、ガバナンス体制およびコンプライアンス体制を再構築し、お客さま本位の業務運営の徹底に向けて役職員一丸となって努力してまいる所存でございます。 次に今回の処分を踏まえました経営責任の明確化につきまして、お手元資料の2ページ目、3ページ目でご説明をさせていただいております。シェアハウス等の投資用不動産に係る問題につきまして、当社は取締役等責任調査委員会の判定を経て、11月12日に前会長の岡野氏をはじめとした旧取締役、旧執行役員に対して、損害賠償請求を提訴いたしております。 また、創業家のファミリー企業への不明瞭な融資につきましても、その全額を回収を図るとともに、取締役等責任調査委員会の判定により責任が認められた場合には、追加的に損害賠償請求等を提起する予定でおります。また、創業家が保有する当社株式につきましては、その保有関係の解消を図るべく、できる限りの対応をしてまいる所存でございます。 続きまして、当社再生のための意識改革と経営管理体制の改革についてでございます。お手元資料の4ページでございます。まず今後のビジネスモデルについてでございますが、当社は引き続き今後リテール業務を中核として、資金ニーズの拡大が見込まれるニッチ市場における取り組みに尽力をしてまいりたいというふうに考えております。併せてネット支店の強化と、あるいは既存の提携先とのさらなる関係強化、あるいは新規提携の実現。またシステム面においては、自行でこれまで開発してきておりましたリテール向けのシステム、こういうものの販売にも取り組んでまいりたいというふうに考えております。 なお、投資用不動産融資につきましてでございますが、今回の業務改善命令を受けて、この業務改善計画書におきまして、業務の抜本的な見直し、それに伴い堅牢なコンプライアンス体制を確立した上で、お客さま本位の対応を行ってまいりたいというふうに考えております。これまでの過度な利益至上主義からの脱却を図って、適切かつ合理的な利益水準を目指してまいりたいというふうに考えておるところでございます。