「そんなの、アリ?」達人のポートフォリオをコピペできる投資ツールが凄すぎた。
新NISAの導入で20代の投資意欲が高まっています。実際に、証券会社や金融事業者もこれから収入も増えて将来的にメインターゲットになる「Z世代」に向けて新ツールの開発に力を入れています。その一部を取材しました。(大来 俊/5時から作家塾®) 【画像】「こんなん、アリ?」投資の神様ウォーレン・バフェットのポートフォリオをコピーした結果… ● 高まる20代の投資意欲 新しい投資ツールも続々登場 2024年は新NISAが始まり、投資初心者が続々と流入した。8月には日経平均が過去最大の下げ幅を記録した「植田ショック」により、戦々恐々とする場面もあった。だが、国も後押しする貯蓄から投資への流れは不可逆で、一度火が付いた投資熱は今後も高まっていくことが予想される。 そんな状況下で、証券会社や金融事業者が力を入れているのが、近年、新たに投資家デビューを果たし、これから収入も増えて将来的にメインターゲットとなる「Z世代」をどう囲い込むかだ。 Z世代とは1990年代半ばから2010年代前半に生まれた28歳前後までの若者たちのことだ。その上の世代とは異なり、スマホとSNSにどっぷり浸かって育っていることから、デジタルネイティブとも呼ばれる。 投資信託協会の調査では、20代の投資商品(株式、債権、投資信託など)の保有経験率は16年の13.3%から23年には32.2%と大きく伸びており、投資意欲も急速に高まっている。 課題は、彼ら、彼女らに最適化された投資ツールを提供できるかどうかだ。今やどの証券会社でも、パソコンやスマホで投資商品の売買注文はできるが、それでも操作は小難しい部分がある。画面や機能も若手を意識したデザインや作りになっているとは言い難い。 そうした中、従来とはコンセプトもデザインも全く異なる、若年層が手に取りやすいサービスが登場して人気を博している。
● 口座開設から売買までスマホで完結 ポートフォリオをゲーム感覚で作る商品も その一つがスタートアップのブルーモ証券から24年5月に正式リリースされたスマホアプリ「Bloomo(ブルーモ)」だ。 口座開設から売買まで、パソコンも書類の郵送も不要でスマホのみで完結。口座開設申し込みは、わずか約2分で完了する。 売買できるのは、米国株と海外ETF(上場投資信託)だ。「若い世代にとっては、AppleやGoogle(Alphabet)など普段自分が使っている商品・サービスの提供企業の株式が買えることが魅力」と、同社代表取締役社長の中村仁氏は話す。 購入の仕方も驚くほど簡単だ。最初にどんな銘柄をどの割合で買うかを決めてポートフォリオを組む。 例えば、Appleを20%、Googleを15%、Amazonを15%、Coca-Colaを10%…といった具合で100%中の割合を決める。操作はリストや検索で表示された銘柄をタップし数字を入力するだけだ。 一般的には個別株を買い増していった結果、自分のポートフォリオができあがる。だが、ブルーモは逆に最初にポートフォリオを組む点が大きく違う。 「リスクを検討しながら初めにポートフォリオを組むのはプロのファンドマネージャーのやり方。それを直感的操作かつゲーム感覚で容易にできる点が特徴で、自然と分散投資ができる仕組みになっている」(中村氏) ポートフォリオを組んだら、後は入金すれば、同社が米ドルへの両替と設定した割合通りの買い付けを代行してくれる。毎月同じ額を自動入金して買い付ける積み立て投資も可能で、銘柄の入れ替えや割合の調整も好きな時に自由にできる。 もし、両替や価格、数量を指定して一つひとつの銘柄を買い付けるとすれば、相当な手間と時間がかかる。それが入金するだけで複数の米国株や海外ETFが買える。今の若者が重視する「タイパ(タイムパフォーマンス)」の良さが際立つ。 ● 達人のポートフォリオを “コピペ”できる機能も だが、リスクを考慮してポートフォリオをどうやって組めばいいか、Z世代で初心者ともなれば分からない人も大勢いるだろう。