オールラウンドプレイヤー谷山隼大 ラグビー憧れの先輩と同じ道を歩む 目指すは世界
■兄よりひと足先に世界を経験した妹
ラグビープレーヤーであった父の影響で楕円球を手にした谷山選手。4人兄妹の長男で、姉、そして妹2人も現役でプレーをするラグビー一家である。 4歳年下の妹・三奈子選手は、日本体育大学・女子ラグビー部に所属。この9月に韓国と中国で行われたアジアラグビーセブンズシリーズに出場。女子セブンズ日本代表としてデビュー、兄よりひと足先に世界を経験している。 三奈子選手 「先にキャップ取れたのはすごくうれしかったですし、ライバル心ちょっと持たれてるので、私もライバル心持って負けない。お兄ちゃんだけには負けないと思ってます」 谷山選手 「先越されちゃいましたね。今さら焦ってもしょうがないので、本当に地道にやっていこうかなと思うんですけど、妹にもやっぱ、妹はセブンズでオリンピック目指してると思うので、夢は一緒に立てたらうれしいなっていうふうに思ってます」 不運なことに谷山選手は、高校日本代表、さらにU20日本代表と、新型コロナウイルスの影響で、海外遠征が中止となった世代のため、世界を経験していない。体が大きくフィジカルの強い外国人プレーヤーとの試合経験が圧倒的に不足している。 谷山選手 「U17は韓国に行くことができて、日中韓の大会があったんですけど、高校代表の時はコロナで中止になって、大学でも同じチームに外国人の選手とかいなかったので、ちょっと体大きいなとか思っちゃいますけど」 「こないだガンターさんにやられました。バーンって行かれました」
■兄妹での飛躍を誓い合った谷山
この日は、シーズン開幕に向けた、横浜キヤノンイーグルスとの強化試合が行われた。各国のトッププレーヤーたちが数多く在籍するイーグルス。谷山選手にとっては、世界規格のプレーヤーと体をぶつけ合う絶好の機会だ。 試合は、序盤からワイルドナイツが劣勢を強いられる。センターとして先発出場した谷山選手は、ボールを持って果敢に仕掛けるが、相手ディフェンスに阻まれ、持ち前の突破力をアピールすることができない。 しかし試合終盤、ニュージーランドのトッププレーヤーでもあるヴィンス・アソ選手が谷山選手に替わって出場。すると、そのアソ選手が試合を動かし、ワイルドナイツが猛反撃で、逆転勝利を挙げた。 谷山選手 「やっぱなんかビビっちゃいますね。ハラシリさんとマフィさんとかいたんで、ちょっとまあ、おーって」 世界に挑むための第一歩は、ワイルドナイツでのレギュラー獲得が絶対条件。苦い経験となったが、谷山選手はポジティブに前を見つめていた。 試合後、谷山選手が隣にある熊谷ラグビー場のBグラウンドに案内してくれた。 谷山選手 「あーいました、あの黒ヘッキャの」 そこには、女子セブンズ・デベロップメント・スコッド合宿に参加する三奈子選手がいた。 谷山選手 「ドロップキックまじ巧いんすよね、うちの妹。今から蹴ります。おー!僕が教えました」 パリオリンピックが終わって、およそ3カ月。次のオリンピックのメンバー入りに向けて、日が暮れるまで練習を行っていた。 三奈子選手 「私はお兄ちゃんの試合見ること多いのでそこの試合見て頑張ってるなと思って。私も頑張ろうとは思いますね」 谷山選手 「兄として妹よりはちょっとうまくあり続けたいので、さすがにやっぱそこのスキルレベルだけはちょっと開けないようにちょっと今負けてるかもしれないですけど、上げていかないとなと思います」 兄妹での飛躍を誓い合った谷山選手。この後、世界トップレベルの強豪を迎えうつ。