【大学野球】コミュニケーションツールは“トンボ” 戦う集団に仕上げる東海大・長谷川国利新監督
原先輩からのメッセージ
酒井氏は東海大浦安高、東海大、日立製作所を経て89年ドラフト1位でオリックスに入団した。1年目の89年に9勝を挙げて新人王。96年に現役を引退するまで通算33勝を挙げた。その後はオリックス、楽天で計16年のコーチを歴任。また、オリックスではスカウトとしても逸材発掘に尽力した。2022年からは2年間、金沢学院大のコーチを務め、学生野球の現場も理解している。 「これだけの多くのOBがいる中で、母校のユニフォームを着られるのは幸せです。一方で責任もある。長谷川監督も相当、プレッシャーがかかっていると思います。タフな投手陣、タフな集団を育て上げ、長谷川監督を胴上げしたいと思います」(酒井コーチ) 長谷川監督は「野球は投手です」と語る。最近はブルペンでの球数が減少傾向にあるが「肩・肘のスタミナを構築することはもちろんですが、投げ込む中で、力の抜き方も覚える。そこは、私と酒井コーチは共通した考えです」と、指導力に大きな期待を寄せている。 「(3人とも)原先生、岩井先生の門下生ですから意思疎通が取りやすい」(長谷川監督)。学生も迷いなく、学校生活、寮生活、練習に集中できる環境が整う。 元旦。長谷川監督は高校、大学を通じて4学年先輩の原辰徳(巨人前監督)に電話で新年のあいさつをした。心温まるメッセージをもらい、あらためて、身が引き締まる思いがした。 「初日の出のように真っすぐ、思い切って頑張ってほしい。困ったときには、いつでも連絡をくれれば、力になります」 東海大が加盟する首都大学リーグは昨秋までライバル・日体大が3連覇中。「われわれがチャレンジしていく。良い構図だと思います。優勝を目指さないと、頑張ることもできない。やる以上はリーグ優勝、日本一を目標にしていかないと、厳しい取り組みもできない」。 長谷川監督は部員と面談した上で、寮生活の見直しから着手し、戦う集団へ仕上げていく。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール