【医師からの警告】近い将来、資産が「長生きの質」を左右する…日本の保険制度が「危なくなる時代」に備えるダンドリ
『2050年には全5261万世帯の44.3%に当たる2330万世帯が1人暮らしとなり、うち65歳以上の高齢者が半数近くを占める』 【マンガ】カナダ人が「日本のトンカツ」を食べて唖然…震えるほど感動して発した一言 先月に厚労省の国立社会保障・人口問題研究所が公表したこの数字は一時Xでトレンドにランクインするなど、衝撃の波紋が広がっている。 “人生100年時代”と言われる一方で、歯止めの効かない少子高齢化が進む日本。先行きの見えない状況下で老後を迎えるにあたり、私たちはどう備え対処していけばよいのか。 お金、健康、法律など、各専門分野のスペシャリスト8人が老後を解説する『死に方のダンドリ』ではそんな備えと対処について、詳細に明かした一冊だ。 <【前編記事】医療現場が大激変! この先「病気では死なない時代」がやってくる…近い未来に予測される「AI診断」その驚きの現場>に引き続き、本稿でもその一部を抜粋・編集しお伝えする。
病気では死ななくなる
AIによる診断は、2023年の論文に記載されている乳がんの診断の正確さの比較でも人間医師と同等の正確さを示しており、実力的には「追いつき」「追い越す」状況が見て取れます。 皮膚科医とAIを比較した2023年の総説論文によると、読影の正確さのスコアは同程度でも、人とAIでは得意分野が異なることが確認されています。ここしばらくは、両者の「協力」「いいとこ取り」が続きます。 それでも、扱いやすい領域から始まって、高度な業務でも医師業務がどんどんとAIに置き換わる日は着実に近づいています。 AIはインターネットとの相性がよいため、インターネットを活用した遠隔診断や自動診断の実現と普及にも大きく貢献するでしょう。 私が今、注目している医療系スタートアップにUbie(ユビー)という会社があり、従来、紙に患者さんが手書きしていた問診をAIの力を借りてスマートフォンやタブレットから入力できる自動問診サービスの提供を始めています。 これは、医師が慢性的に不足しているイギリスで保健省(NHS)が、その解決のために「Babylon」という自動問診・診断システムを導入した流れを汲む、と言えるものですが、来院前に外出の準備をしながら簡単に入力できるため、診察をスムーズにしてくれますし、遠隔で医師が行う診断や自動診断もスムーズになります。 AIや自動問診は近い将来、全国に普及するでしょう。たとえば、コンビニで無人レジを使うのがあたりまえの風景になったように、医療シーンにも、これまでの病院の風景をがらりと変えるようなイノベーションが続々と登場してきます。 あれほど対面が必須と思われていた商談や会議にもあっという間にオンラインが普及して、ビジネスシーンは激変しました。しかし、今やそれがあたりまえで、皆、それを当然のように受け入れています。 センシングとAI診断によって、診察室からは人間医師の姿が消え、誤診は限りなくゼロに近づいていきます。一部の手技や手術を除けば、人間医師でなければできない業務は激減するため、病院に必ずしも行く必要はなくなっていきます。 そもそも病院は、病気にかかった人が大勢集まっている場所です。わざわざ行くことによって病気をもらう可能性がありますから、病院に行かなくて済むのなら、行かないほうがいいのです。 センシングとAI診断でより正確な診断が行われるようになり、病院に行かなくて済むから病気をもらってくることもなくなる。私たちはますます病気では死ななくなっていくのです。