レーサーレプリカ世代垂涎のヤマハ「XSR900 GP」は走りも”あの頃”の熱さを思い出させる
2023年の「ジャパンモビリティショー」で公開され、レーサーレプリカに熱くなっていた世代のライダーを中心に大きな支持を集めたヤマハの「XSR900 GP」。1980年代のGPマシンを彷彿とさせるカウルのデザインや、カラーリングに心を踊らせた人も少なくないはず。今年5月に発売されたマシンに乗ってみたら、走りも見た目以上に熱いものでした。 【バイク画像を詳しく見る】
■ディテールも心を熱くさせるもの
「ジャパンモビリティショー」の舞台では、1983年型の「YZR500」と並べて展示されていたこともあって、かつてのマルボロカラーを思わせるカラーリングでしたが、今回乗ったのはグレーの車体。 すでに中年になって久しいレプリカ世代のおじさんが乗っても気恥ずかしさを感じさせないカラーです。フルカウルではなく、あえてハーフカウルとされている点も個人的にはグッときます。 ベースとなった「XSR900」はアップハンドルのネイキッドモデルですが、「GP」はセパレートタイプのハンドルを採用。ただ、ハンドルはトップブリッジの上にマウントされていて、前傾はそこまでキツくありません。 往年のレーサーレプリカでいうと初期型の「TZR250(1KT)」を思い出させます。カウルステーの造形はV型エンジンになった「TZR250R(3XV)」を思い起こさせるデザインです。 ライダーがまたがった際に目に映る部分はクオリティが高く、カウルのステーにはベータピンが使われていたりして、細かい部分でも気分を盛り上げてくれます。 アッパーカウル上部には、3XVで実績のあるナット構造を採用。カウルのナックルガードの部分も、今どきのスーパースポーツではなく、1KTや当時のレーサーを思わせるデザインです。 ショーの展示車はオプションのテールカウルを装備していましたが、市販状態では装着されていません。これはシートにそのまま被せるタイプなので、後からの着脱は簡単にできるようになっていますが、車検証の記載変更が必要になるので注意したいところ。 フレームはベースである「XSR900」はもちろん、「MT-09」とも共通のものですが、シルバー塗装とされているのが「GP」の特徴。当時の「デルタボックス」フレームのアルミ地をイメージしたもので、気分を盛り上げるのに一役買ってくれています。