小池氏再選もたった“2人”の女性知事「“女の戦い”が死語になる前の最後の年に」七夕決戦がもたらすものは?
庭野解説委員 「多様性がないと、同じようなことしか思いつかないとか、困っていることがわかりにくくなってしまうということですよね」 三浦教授 「同質的な人たちではなくて、多様な人たちで営まないといけないというのは、社会がもう既に多様だからですね」 「若者の声も十分に届いていないと思いますし、非正規雇用者も十分に届いていないし、政治家がほとんど男性である中では、女性たちが経験するようなことも過小評価されたり、最初からなかったものにされてしまっている。そういった現実がまだまだあると思います」 庭野解説委員 「男性でも100%素晴らしくなくても総理大臣になったり、大臣になったり、知事になっているわけですが、女性の候補だとより厳しく皆さんが採点、減点していく。女性に厳しいと思うんですよね」 三浦教授 「完全にそうだと思いますね。ダブルスタンダードだと思います。男性の政治家が何か失敗をしても、『男性だから政治家は無理だ』と、そんなことは絶対に誰もおっしゃらなくて、その人の資質が足りなかったということになるわけですよね。でも女性の場合には『女性だったから駄目だったんだ』という結論になりがちなんですよね。そのことをメディアや社会が認識して、政治家やリーダーを評価するときに、女性も1人の人間として評価すべきで、“女性だから”というふうに関連付けない。そういった思考の癖をつけていかないと、女性は常に不利な状況に立たされてしまうということになると思います」
■政界に女性が増えた先に──「男性の多様化がテーマになる必要がある」
庭野解説委員 「女性の政治家ですとか、自治体のリーダーを増やすには、どういったことをしていくのがいいと思われますか?」 三浦教授 「自分で手を挙げれば立候補はできるわけですよね。ただ、知事とか、あるいは政令市みたいな大きなところの議員だと、結局なにか組織を束ねていかないと当選するのは難しい。皆さん無所属になられますけど、実質上は保守系の団体、あるいは革新系の団体から支援を受けているのが通常なんですよ」 「なんでこういうふうになるかというと、やっぱり投票率が低いからなんですね。そうすると組織を固めたら一定の票数がもう見込めるので、上ずみにちょこっと乗せればいいだけなわけです。もっと投票率が高くなれば、組織とは関係ない候補がより勝ちやすくなるんですよね。新しいタイプのリーダー、その新しいという中には女性も入ってくると思います」 庭野解説委員 「国政ではクオータ制、つまり女性の割合を決めていくことの必要性も述べられています」