「高齢者の血圧管理」日常生活で気をつけたい“7つのポイント”とは【介護福祉士監修】
高齢者の高血圧を防ぐポイントを解説 日常生活で何をするのがいいのか
編集部: 高血圧の原因は何ですか? 大野さん: 高血圧には次の本態性高血圧と二次性高血圧の2つがあります。本態性高血圧は遺伝的要素や生活習慣が因子とされており、高血圧は主にこのタイプです。主な原因としては、肥満やストレス、運動不足、喫煙、野菜、果物(カリウム、ミネラル)不足、塩分の過剰摂取、過食、自律神経の乱れなどです。二次性高血圧は血圧上昇の原因となる特定の因子があるものとされています。腎臓病や内分泌の病気などが該当します。 編集部: 高血圧を防ぐためのポイントは何ですか? 大野さん: 毎日の血圧測定と記録を習慣にしましょう。高血圧予防のためには、まずはご自身の血圧値を知ることが大切です。毎日、血圧測定と記録をしてみましょう。血圧計は市販されていますので、ご自宅でも毎日測定できます。ノートやパソコンへの記録を習慣化すれば、数値変化が分かり、大切なデータとしてかかりつけ医に見ていただくこともできます。 編集部: 普段の生活で気をつけることについても教えてください。 大野さん: ありきたりですが、「食事」「運動」「睡眠」ですね。日々の良好な食生活は高血圧予防に繋がります。塩分、脂質の多い食品、お酒の過剰摂取は動脈硬化を促進させますので注意が必要です。適度な運動は高血圧予防に必要です。ウォーキング、スロージョギング、ランニングなどの有酸素運動をややきついという程度に行うことが推奨されています。万歩計での計測など、無理なく楽しみながら始めてみましょう。また、良質な睡眠は高血圧へのリスクを下げ、全身状態の安定に繋がります。寝不足が続くと血圧が上がりやすくなりますので注意しましょう。 編集部: その他、生活の注意点はありますか? 大野さん: ストレスは高血圧、精神疾患など、様々な病気の原因の一つです。自分は何にストレスを感じ、どう対処したらいいのか考えてみましょう。病気の症状が出る前に、心療内科でカウンセリングを受ける方法もあります。普段から薬を服用している人は、かかりつけ医へ相談し、処方された薬は医師の指示通りに服用しましょう。飲み忘れを防ぐために、お薬カレンダー使用や手帳に記入するなどの方法があります。他者からのサポートが受けられるのであれば、都度チェックしてもらうと良いでしょう。悪い生活習慣は、高血圧をはじめ様々な病気の原因となります。食生活の乱れや運動不足、喫煙、過剰な飲酒、睡眠不足には気をつけましょう。 編集部: 一人暮らしの高齢者の方が増えていると思いますが、高血圧について誰に相談したらよいのでしょうか? 大野さん: 高齢者の一人暮らしでは病気に関する情報が入りにくく、症状進行が心配されます。かかりつけ医や訪問看護師、ケアマネジャー(医療と連携)などへ相談する方法があります。一人で抱え込まずに、まずは相談するようにしましょう。