ラーメン官僚も絶賛! 北千住『らぁ麺屋のさかいさん』の絶品ラーメン「牛中華」とは? #食楽web #ラーメン
「味噌らぁ麺」は、酒井氏が『柳麺マタドール』の店長だった当時、お客さんから毎日のように「味噌ラーメンを出してほしい」と懇願され(加えてこの場所は『みそ味専門マタドール』だった時期が長かったこともあり)、「味噌」を出す店として認知されていることを痛感した実体験に基づき、商品化されたものです。 「『みそ味マタドール』と同じ内容の味噌ラーメンを出すのは、修業先の岩立マスターから禁じられていました(笑)。なので、『みそ味マタドール』の複雑精緻な味の逆を狙おうと、味噌そのものの素材感にフィーチャーした、素朴で優しい味わいの1杯を作ることにしました」 現在、使っている味噌は、1世紀近くもの歴史を誇る老舗醸造所『窪田味噌醤油』の玄米味噌と生詰こうじ味噌の2種類。 「開発段階で、『窪田味噌醤油』の玄米味噌とこうじ味噌を用いたラーメンを試食したとき、すぐにこれが正解だと確信しました」と酒井店主。膨大な試行錯誤を重ねて作り上げた「味噌らぁ麺」は、修業元とは味のベクトルを全く異にする完全なオリジナルの逸品です。
ベースとなるスープは、「醤油」「塩」「味噌」の種別を問わない共通仕様。牛骨、膝付きのモミジ等の動物系素材に、2種類の昆布 (羅臼と日高)、シイタケを合わせてじっくりと炊き上げた出汁に、時間差で香味野菜を加えたものです。 「スープ作りにあたっては、採り入れる素材の種類も大切ですが、素材の持ち味を活かし切ることも、それと比肩するほど重要。当店では、無人状態でも安定的な温度管理ができるよう、IH機器をフル活用した炊き込みを行っています」 それだけではありません。夏場と冬場で煮込む温度を微調整する、うま味の増幅役として昆布とシイタケを大量に使用するなど、数多くの経験を経てきたベテランならではのギミックも、随所に施されています。
ひと口スープをすすり上げ、それぞれのラーメンの風味を噛み締めてみました。 「牛中華」は、スープの雫が味蕾に触れた刹那、液体と化した牛を丸々一頭いただいているような圧倒的なコクと香りが、舌上を起点として同心円状に拡散。口内の隅々にまであまねく行き渡ります。 「油かす」から沁み出す牛エキスも、スープにさらなる厚みを加える役割を十二分に全う。華やかなうま味を持ち合わせた「牛」という素材による華美なうま味のトルネードに、食べ手は、ただレンゲを持つ手を動かし続けるしかありません。