性行為の低年齢化はなぜ起こっている? その背後に見える 「親子の問題」
なぜ簡単に性行為をしてしまうのか
未熟な理由は、幼児のころに十分にリビドーを満たしてもらえなかったことがいちばんの要因でしょう。 愛情に飢えている子は、そのさみしさを埋めるために、異性の肌のぬくもりを求めてしまいます。まるでゲームのように性行為をしたり、多数の異性とつきあったり別れたりを繰り返す中高生が多いのは、心の底で本当の愛を探しているからなのです。 幼いときから、しっかりと親の愛のもとで育った子どもは、簡単に交際したり、性行為をしたりすることはまずありません。自分が愛情で満たされているから、かりそめの愛など欲することはないのです。 幼児的な性衝動の解決、リビドーの解決のために性行動に走ってしまうのは高校生だけではありません。いまや中学生、小学生までもが性体験をもってしまうような時代です。これは本当に由々しき事態だと思います。親だけでなく、社会全体が向きあい、子どもたちの性の暴走を食い止めなければならないと真剣に思うのです。 性行為の低年齢化は、中絶率にも反映されています。19歳の日本の人工妊娠中絶率は50人に1人です。ピークは20歳前後にあり、この数字を見ても安易な性行為が若者の間で広がっていることがわかります。 リビドーが満たされないまま成長した若者同士がめぐりあうと、すぐに性的な関係になってしまう。未熟な彼らは正しい性知識をもっていませんから、きちんとした避妊をしません。その結果、妊娠してしまったり、性病にかかってしまったりするのです。 今、10代の性病が急速に増えています。これもまた、性を簡単に考えている、未熟な証拠といえましょう。 【まとめ】10代の安易な性行為は、家庭での満たされない愛情を外で満たそうとする行為です。
佐々木正美