【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第1ステージ】「ポガチャルのような強豪を倒せて最高の気分」。三つ巴スプリントを制したナルバエス勝利で、ジロが鮮やかに開幕!
序盤のコントロールはヴェガールスターケ・ラエンゲンが単身で務めた。スペルガ登坂に備え、ライバルチームがいよいよ隊列を組み始めると、UAEはさらに大人数で前にせり出した。スペルガからの曲がりくねった下りは、ポガチャルを含む6人で最前列を固めてやり過ごし、無等級ながら驚くほど激勾配のサン・ヴィートの1回目の登坂は、4人体制で高速を強いた。集団は長く細く伸びた。ラスト30km、1回目のフィニッシュライン通過時には、早くもプロトンは粉々になっていた。
2級マッダレーナに入ると、すでに上がりきっていたテンポを、UAEはもう一段階上げた。TT巧者ミッケル・ビョーグが力を振り絞ると、「上れる」スプリンターたちはもはや耐えられなくなった。昨ジロで6位に食い込み、今大会は新人賞候補の筆頭に挙げられる24歳テイメン・アレンスマンさえ、後方へと力なく脱落していった。先頭牽引役がフェリックス・グロスシャートナーに交代すると、今度はロマン・バルデが遅れる番だった。先のリエージュ~バストーニュ~リエージュで、ポガチャルに次ぐ2位に入ったフレンチクライマーは、運悪く「バッドデー」にはまってしまった。
UAEも予定通りに作業を遂行できたわけではない。グロスシャートナーの次に控えていたはずのルイ・オリヴェイラは、仕事に取り掛かる前に姿を消し、フィニッシュまで25kmを残して、早くも最終補佐役ラファウ・マイカに作業の順番が回ってきてしまった。自ずとテンポは少し抑え気味となった。常に集団前線に控えていたポガチャルも、集団の真ん中に一旦下がった。
マッダレーナからの下りで、ボーラ・ハンスグローエが数人でするりと先頭に上がった。「もしかしたらポガチャルは、初日のマリア・ローザ獲りを諦めたのかもしれない」と、マキシミリアン・シャフマンは考えたという。残り16km、そのままスピードを上げると、すでに30人ほどに小さくなっていたメイン集団から大胆に飛び出した。 ミッケルフレーリク・ホノレが後に続き、ニコラ・コンチもすぐに合流した。アレックス・ボーダン、アレッサンドロ・デマルキ、ダミアーノ・カルーゾ、ジュリオ・ペリツァーリも追いついてきた。いまだ逃げていたカルメジャーヌを回収し、8人の先頭集団を作り上げた。山の麓の第2中間ポイントでは、2021年ジロ総合2位カルーゾは、首位通過でボーナスタイム3秒収集も忘れなかった(その結果、フィオレッリを退け、中間ポイント賞で総合首位に立った)。
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