【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第1ステージ】「ポガチャルのような強豪を倒せて最高の気分」。三つ巴スプリントを制したナルバエス勝利で、ジロが鮮やかに開幕!
つまりスプリンターチームの一時的加速で、タイム差が急速に埋まることもあった。ただコース中盤の3級山岳スペルガに差し掛かる頃、逃げのリードは再び2分半に広がっていた。これがリリアン・カルメジャーヌを勇気づけた。「どうせ短いステージだ。全力で行こうじゃないか」……と。
そもそも予定してはいなかったのに、反応が遅れたチームメイトの代わりに前を追ったら、そのまま逃げが決まってしまったという。きっと2級マッダレーナの前に捕らえられてしまうのだから、山岳ポイントなんかいらない、と最初の4級山岳でも動かなかった。スペルガでようやくカルメジャーヌは腹をくくる。一時は先行を許したアマヌエル・ゲブレイグザビエルに、下りで合流すると、その後も勢力的に逃げ距離を伸ばしていった。
インテルジロは争わずして先頭通過した。この日最後の山岳、2級マッダレーナ登坂途中には、独走体制に切り替えた。背後から猛スピードでプロトンが迫ってくるのを感じながら、カルメジャーヌは必死に山頂まで凌いだ。本格的な区間争いが勃発し、飛び出してきた一団にラスト10kmで捕らえられた後も、しばらく粘り続けた。
ブエルタとツールではすでに勝ちをを手にし、今ジロには区間優勝を取るためにやってきたカルメジャーヌは、最終的には1分40秒遅れの45位で第1ステージを終えた。表彰式では山岳ジャージを受け取り、インテルジロ賞とフーガ賞(120km)でも首位に立った。
「足の調子が良かったから、すごく楽しめた。この美しい青のジャージは、僕にとってはファンタスティックなジロの始まりを意味するものであり、この先への期待を抱かせてくれる。今後もいい走りを見せたいし、3大大会全ステージ制覇の夢だって、叶えられるかもしれない」(カルメジャーヌ)
逃げの後方で、UAEチームエミレーツは休みなく仕事を続けた。「グランツールは長いから、1週目でチームメイトを燃え尽きさせたくはない」と、開幕前のポガチャルは語っていたにも関わらず。
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