韓国で29日に起きた旅客機事故。救出された2人以外の179人全員の死亡が確認されました。今後は原因究明に向けた動きが本格化します。 　事故から一夜明けた30日。現場となった空港には、焼け焦げた機体が無残にも横たわっていました。 　29日午前9時ごろ、韓国・南西部の務安国際空港で起きた事故。タイのバンコクを出発した済州航空の便が着陸に失敗して全焼しました。 　乗客乗員合わせて181人が乗っていて、乗務員2人が救助されましたが、残り179人全員の死亡が確認されました。韓国の国土交通省は事故の調査の経緯を発表しました。 　明かされたのは着陸寸前の管制とコックピットとのやり取り。 国土交通部　航空運航課長 「午前8時57分、管制塔から“鳥活動注意”とアドバイスした。午前8時59分に操縦士が非常宣言と着陸の断念を通知。『メーデー、メーデー、メーデー』と3回宣言し“バードストライク”“ゴーアラウンド”という用語を使った。午前9時2分、着陸に向け滑走路に接地したが、滑走路の端から1200メートルほどの地点に接地し午前9時3分に航空機が衝突した」 　事故の主な原因とされている「バードストライク」。実は務安国際空港は鳥の多い地域で、過去にリスクが指摘されていました。事故の原因究明に向け、対策が十分に取られていたのか検証が進められるといいます。 　そして、旅客機が衝突したコンクリート壁についても被害を拡大させたといわれていて、空港の構造自体も検証が行われることになります。 　調査の鍵を握るブラックボックスは、すでに分析施設に送られました。ただ、事故の衝撃で一部損傷しているため、深刻な場合には分析に数年かかると韓国メディアは伝えています。 　韓国の飛行機事故としては最悪の犠牲者数となった今回の事故。原因究明と再発防止が急がれます。 （C）　CABLE NEWS NETWORK 2024