少年野球に“イエローカード”導入の絶大効果 罵声撲滅へ…警告受ける大人にある「特徴」
審判部の見解は「不適切・相応しくない言葉や表情」…これまで警告したのは、ほぼ大人
宮田さんがスタンドに目を光らせる一方で、主にベンチにいる大人に対して警告をする審判団は、どのような判断基準で、胸ポケットにしまっているカードをどのような場面で出しているのだろうか。 同連盟審判部長の山崎智文さんによると、主役である小学生が萎縮してしまうほどの威圧的言動がみられたとき、具体的には「バカタレ!」「アホ!」などの不適切なフレーズや、明らかに指導者に相応しくないと感じられるような、眉間にしわを寄せたりしながら大声で言葉を発しているときは、警告の対象になるという。 一方で、子どもへの警告は「あるかな? 思い出せないです」と言うほど滅多にない。山崎さんは「昔はチームメートが失敗したら、『お前、そんなこともできないの?』と罵ったり、からかったりする子が多かったけれど、今の子たちは、小さいときからご家庭で『そんな言葉を使ったらダメ』と躾けられている世代。カードで注意しないといけないようなこともありません」と明かす。 学童野球の最高峰である「全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」に繋がる今年の「高知県予選兼第10回記念高知県軟式野球連盟学童部王座決定戦大会」には、48チームが参加したが、県予選決勝までの47試合のうち、出されたイエローカードは2枚。どちらも大人に対するものだった。 カードによる警告頻度は、年々少なくなってきており効果てきめんと言える。同連盟はこれからも型にとらわれない策を講じながら、子どもたちを取り巻く環境を変えていく。
喜岡桜 / Sakura Kioka