ごま研究の成果発表 味や香りの数値化も 日本ゴマ科学会
ごまの科学的研究や技術開発促進を目的に活動する日本ゴマ科学会が10月19日、名古屋国際会議場で「第39回日本ゴマ科学会大会」を開催した。当日は6つの特別講演と2つの一般講演を執り行った。 開会にあたり、大会実行委員長を務める真誠・冨田博之社長は、「健康志向が高まるなか、ごまはその栄養価の高さや多様な利用方法によって、もっと注目されても良い食材だと思っている。今年もたくさんの貴重な知見を得て、ごまの素晴らしい魅力やごまを取り巻く課題、その解決方法などを皆さまと共有できる有意義な場になればと思う」とあいさつ。
日本ゴマ科学会・片山健至会長も、「当科学会は、ごまの研究を促進し、この分野の知識普及を目的として1986年に発足。研究成果の発表や講演会を毎年1回行っている。本日の研究発表が皆さまに充実した知見を与えることを期待する」と述べた。 特別講演では、まず冨田氏が登壇。全国胡麻加工組合を代表して、組合の成り立ちや取り組みについて説明。 特に最近の注力点として「焙煎ごまの味や香りの数値化に取り組んでいる。これまで感覚的にごまの特徴とされてきた部分に、裏付けとなる科学的エビデンスの取得。今後は数値化されたデータを会員企業で共有し、新たな利用方法やメニュー提案につなげ、市場を活性化させていきたい」とした。 また、「組合員の多くは中小規模。自社で基礎研究を行える企業は限られている。ごまの基礎研究をもっと促進し深めるためには、全国胡麻加工組合と日本ゴマ科学会での連携強化が必要」と、今後のさらなる協力関係の深耕を訴えた。 このほか「フードロス削減を目指した食品加工」「すりごまとヨーグルトの長期摂取による抗アレルギー作用~ランダム化平群間比較試験」「国連WFPとゴマの関わり:アフリカ飢餓撲滅の鍵」など特別講演が開かれた。