スタニングローズが復活V キングカメハメハ産駒は意外にもエ女王杯初制覇
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆血統で振り返るエリザベス女王杯 【写真】スタニングローズのこれまでの軌跡 【Pick Up】スタニングローズ:1着 一昨年の秋華賞以来となる2つめのGI制覇です。その秋華賞は、今月末のジャパンCに出走を予定しているスターズオンアースの牝馬三冠を阻止したものでした。この世代の牝馬は、他にナミュール、ママコチャ、ナムラクレアなどが出ており豊作です。 父キングカメハメハはこの世代がラストクロップ。意外にもエリザベス女王杯は初制覇です。牝系はローザネイを牝祖とする“薔薇一族”に属しています。このファミリーはローズキングダム(ジャパンC、朝日杯FS)以降、しばらく活気に乏しかったのですが、スタニングローズにより復活を果たし、最近ではゼルトザーム(函館2歳S)、ヴィブラフォン(スパーキングレディーC3着)などが出ています。 ローズキングダムとスタニングローズは、同じくキングカメハメハを父に持ち、母同士が親仔(ローズキングダムの姉がスタニングローズの母)なので、4分の3同血の関係です。 「キングカメハメハ×クロフネ×サンデーサイレンス」の組み合わせは、前週のアルゼンチン共和国杯を勝ったハヤヤッコと同じ。両者は牝系が違うだけで3代にわたって同じ種牡馬を交配しており、8分の7同血の関係です。 ◆血統で振り返るデイリー杯2歳S 【Pick Up】ランフォーヴァウ:1着 父ロードカナロアはJRAの2歳種牡馬ランキングで第7位。勝利数の9勝は、1位キズナの23勝に比べると半分以下ではあるのですが、重賞勝ち馬は両馬とも2頭ずつで並んでいます。先週、ファンタジーSを勝ったダンツエランに続き、2週連続の重賞制覇となります。2歳牝馬がデイリー杯2歳Sを勝ったのは2016年のジューヌエコール以来8年ぶりとなります。 「ロードカナロア×ディープインパクト」の組み合わせは、ブレイディヴェーグ(エリザベス女王杯、府中牝馬S)、レッドモンレーヴ(京王杯SC)、ファンタジスト(京王杯2歳S、小倉2歳S)、ボンボヤージ(北九州記念)、アスクワンタイム(小倉2歳S)と同じ。2歳戦では連対率31.6%と抜群の強さを発揮しています。 この組み合わせの牝馬は馬体が小さく出る傾向があり、出走全馬の平均馬体重は438kg。ここがウィークポイントではあるのですが、今回のランフォーヴァウは450kg。2歳でこのサイズですから、平均よりは大きめに出ています。母キネオダンサーが大柄な馬だったので、その影響でしょう。 ちなみに、1歳の半弟(父ニューイヤーズデイ)は、ウインレーシングクラブの2次募集にかけられており、ストリートクライ2×3という大胆なインブリードを持っています。