「反対の声はつぶされる」SNSで強権批判 危機に瀕するカンボジア、日本拠点に民主化模索
動画再生は300万回超を記録したこともある。メディアでの情報収集を中心に、時には現地に直接連絡を取って住民の声を聞く。2024年3月には、土地収用に抗議する人たちへの当局の強硬姿勢を取り上げ「誰のための発展を目指しているのか」と政権を痛烈に批判した。 最近はカンボジア内外の同世代がSNSで政治に関して発信するようになったといい、手応えを感じている。「『いいね!』を付けてくれるだけで構わない。皆の意思表示が大きな動きになる」 【カンボジアの政治状況】 2023年7月の下院選で、フン・セン政権が有力野党キャンドルライト党を排除し、与党カンボジア人民党がほぼ議席を独占。選挙後、下院は首相を38年間務めたフン・セン氏の後継として長男フン・マネット氏を選任し、世襲による新内閣が誕生した。2024年2月の上院選でも人民党が圧勝。フン・セン氏は上院議長に就任し、独裁的な権力基盤を固めた。