Thank youは「フェンキュ」? 日本人が発音を習得できる“カタカナ英会話”とは
ネイティブの発音を身に着けるには「反復練習」が大切
――『カタカナ英会話』は、いわゆる「発音記号」を使わずにいかにカタカナで表現するかという試みですが、お二人は従来の発音記号についてはどのように考えていますか? 【甲斐】私はカナダにいるときには発音記号に触れる機会がありませんでした。ドイツ語やスペイン語、中国語の授業でも発音記号を習うことはなかったです。 【船橋】私は英語講師という立場から言うと、知識として知っていれば学ぶうえでの助けになるとは思いますね。ただ、単語ごとに発音記号の表記があっても、先ほど話した「リンキング」すると発音が変化してしまうので、やはり英文の中で単語同士がどのようにつながっているかを覚えていくのが先なのかなと思います。 ――RとLの発音の舌の動きの違いなどは? 【甲斐】意識したことがなかったですね。日本に来て聞かれて初めて考えたという感じで。ただ、そんなに頑張って舌を巻こうとしなくてもいいんですよ。本のなかでも、Rの音は単語の中に登場する場合、「ウェ」や「ウィ」で表現しているものもあります。 【船橋】「sorry」は「サーウィ」となっていますね! 「some things」も「スンmフィングズ」(mは閉じた唇の絵文字)です。これは発音しやすいですね。 【甲斐】できるだけ簡単にネイティブの発音に近づくように色々と工夫しました。ただ、頭でわかっていても、何度も何度もトレーニングしなければ身につかないと思いますので、反復練習が大切ですね。 【船橋】そうですね、舌も口周りも筋肉ですからトレーニングが必要だと思います。 【甲斐】自分の発音を録音して聞いてみるのもいいですよね。自分ではちゃんと発音しているつもりなのに実際は言えていない部分などが客観的にわかります。 船橋:最近は「ELSA Speak」など発音を診断してくれる便利なアプリもたくさんあるので、そういったものを利用するのもおすすめです。 ――最後に、お二人の本のポイントを教えてください。 【甲斐】はい。『カタカナ英会話』は、カタカナを読んだだけでネイティブの発音が再現できるように作りました。続けていけば、苦手だった発音に自信が持てるようになると思います。また、スピーキングはもちろんのこと、リスニングが格段に上達しますので、ネイティブの自然な会話も聞き取れるようになりますよ。 【船橋】『英会話は筋トレ。』は、英語にアレルギーがある人ほど挫折しないように作りました。28日間頑張れば必ず成果が出ますので、これまで挫折を味わってきた方も、最後の砦として頼ってほしいです。 『やっぱり英会話は筋トレ。』は、動詞に特化した一冊ですが、基本的な動詞を覚えると会話の出だしがとてもスムーズになるので、「あ、自分でもしゃべれた」という感覚を味わってもらいやすいと思います。もちろん、現役の学生さんにもお勧めです。どちらも音声付きですので、何度も聞いて繰り返しトレーニングしてみてください。 ――私もお二人のお話を参考に、英語の学び直しを頑張ろうと思います。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
甲斐ナオミ(ネイティブスピーキングコンサルタント),船橋由紀子(英語学習コーチ)