「新たなカタルーニャの発見を」観光局長が歴史や自然の魅力を発信
「カタルーニャの古い街並みや大自然で新たな発見をしてください」。11月20日、東京都内で行われたスペイン東部カタルーニャ州の観光説明会で、州政府観光局のナルシス・フェレール局長はそう呼びかけた。 フェレール局長は、バルセロナの北東約100キロのところにあるジローナの出身。ジローナは歴史的街並みで国外からの映画ロケやテレビドラマの撮影が多いことも手伝って世界中から観光客が訪れている。 「ジローナの街を歩けば、様々な発見があります」とフェレール局長は言う。
街を流れるオニャー川に沿って色とりどりに塗られた建物が並び、その色が川面に映る。この風景を撮影する観光客は多いフェレール局長は、「川沿いの建物には、たとえば職人さんのお店があります。そうした店に入れば、窓から別の角度でオニャー川の景色楽しめる可能性があります」と教えてくれた。 街歩きには、そういう「新たな発見」のチャンスがあるのだ。
オニャー川沿い並ぶカラフルな建物の背後に見える巨大な建物はジローナの大聖堂だ。この大聖堂に向かって歩くと、旧市街の歴史的建造物や石段などが発見できる。 長い石段は、欧州でも特に保存状態がよいとされ、多くの観光客が上り下りする。大聖堂に着くと正面入り口まで続く大きな階段が眼前に現れる。 観光説明会にはカタルーニャ各地のホテル、バルセロナ郊外の聖地モンセラートのセールス担当者も参加、それぞれの特長、見所を説明した。
カタルーニャに本拠がある国際的に有名なワイナリー「トーレス」の日本・韓国エリアマネージャーのジョセップ・プラーナさんは、「バルセロナに近いペネデス地方にあるワイナリーでは、そこを訪れて、ブドウ畑を見て初めて、おいしいワインができる風土がどのようなものか知ることができます」と言う。
説明会ではまた、カタルーニャ州政府観光局のアジア太平洋地区局長のラウル・ゲラさんが、カタルーニャゆかりの芸術家、建築家らについて解説した。 今年は、パブロ・ピカソ没後50年。「バルセロナは若き日のピカソが過ごした場所として知られる。ピカソが初めて個展を開いたのもバルセロナだった」とゲラさんは語る。 また今年は、バルセロナ出身の建築家リュイス・ドメネク・イ・ムンタネーの没後100年にあたる。 カタルーニャでは著名な建築家アントニ・ガウディのライバルとみなされることが多い。 ガウディが設計・構想したサグラダ・ファミリアやカサ・バトリョ、カサ・ミラなどは日本でも有名。こうした建物に加え、ドメネク・イ・ムンタネーが設計したカタルーニャ音楽堂などを見学すれば、そこにまた新たな発見がありそうだ。