なぜだ?F1角田裕毅のレッドブル“落選”に海外メディアから疑問や異議の声!「多くのF1ファンが落胆」「角田の昇格が論理的でベストな選択」
F1のレッドブル・レーシングは19日、姉妹チームであるRBのリアム・ローソン(22、ニュージーランド)を2025年のドライバーに起用することを発表した。前日に今季不振だったセルジオ・ペレス(34、メキシコ)との契約解除を発表。後任は、角田裕毅(24)か、ローソンかで注目を集めていたが、角田の昇格は見送られた。今季の成績は、角田がローソンを圧倒。合同テストでも評価が高かった角田の“落選”を疑問視するF1ファンの声や海外メディアも少なくなかった。2025年に角田は続けてRB(アルファタウリ時代も含む)で5シーズン目を迎えることになった。 【画像】「驚くほど速い!」F2000Tで総合優勝した“女子高生レーサー”野田樹潤
角田に朗報は届かなかった。スカイスポーツなど海外メディアが角田のレッドブルへの昇格見送りと、ローソンの昇格決定を先行報道していたが、正式発表でのサプライズはなかった。 不振のぺレスの契約解除を決めたレッドブルは、4度のF1世界チャンピオンであるマックス・フェルスタッペンとコンビを組む相手の候補を角田とローソンの2人に絞っていた。後半から参戦したローソンは、6戦を走ったが、角田が4戦で成績を上回った。キャリアで言っても角田がすでに4シーズンF1の舞台で戦っているのに対してローソンはまだ11レースに出場しただけ。しかも角田は今季全24戦で自己最多の入賞9回を記録し、12月10日に行われた合同テストでは、レッドブルのマシンに乗り、高い順応性を示した。 では、なぜ角田ではなくローソンだったのか。 公式サイトのFormula1.comは「予選、決勝の両方のパフォーマンスで角田は向上を見せ、同時に優れたフィードバックを見せて、荒っぽい無線会話も我慢できるようになっていたがそれだけでは十分ではなかった。レッドブルは、ローソンを見た上で角田よりもポテンシャルで高いものを持っていると信じている」と分析した。 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は「2人から選ぶのは、とても難しかった」と認めたそうだが、「ローソンが僅差で昇格をものにした。シーズン中盤から代役に入ることは決して容易ではなく、ローソンは、過去に1度のみならず2度経験し、スタッツにおいて角田には成績で上回られていたとしても、その両方においてうまくやっていた。レッドブルは、彼のメンタル面の強さと競り合いでの負けん気の強さを気に入っている」などと解説した。 シーズン終了後のアブダビでの合同テストでレッドブルのマシンに乗ることは角田を支援するホンダがプッシュして実現した。 同サイトは、「ホンダはドライバーの選択に関しての発言権がないことをわかった上で、自社のジュニア選手(角田)を昇格させるようにレッドブルに訴えたとみられるが、合同テストの時点ではすでに(ローソンに)決定は下されていた」と暴露した。 ホンダのレッドブルグループへのパワーユニットの供給契約は2025年までで、新レギュレーションとなる2026年は、アストンマーチンに供給することになっている。レッドブルはホンダに代わってフォードと組む予定で、ホンダに後押しされる角田をレッドブルが積極的に契約に乗り出しにくいという背景もあった。 同サイトは、「(今後)角田は自らにふさわしいと信じるだけのチャンスを得ることになるかもしれない。だからこそ角田はこの(ローソンへの)敗北を冷静に受け止め、来年に再びレベルアップへ集中することが重要となる。そうすることで彼はレッドブルでのシート争いに入ると同様に他のチームに対して魅力的な存在となることができる」と角田にエールを送り、「ホンダが2026年からアストンマーチンのパートナーとなることで将来的にこのチームへ移籍する可能性もある。この日本人ドライバーは、過去にハースやザウバーへの移籍話もあった」と説明した。 だが、角田の落選を疑問視するメディアも少なくなかった。