【特集】書店が次々と閉店… 「当たり前の本屋をなるべく長く」 地域に寄り添うまちの本屋さんの挑戦
小林由美子さんは、兵庫県尼崎市で書店を営んでしました。2024年5月、自身の体調などを理由に72年続いた店を閉じました。それまで、経営してきた手腕と人柄で、小説のモデルや映画化されるなどして全国で評判となっていました。
佐藤さんとの出会いは、15年ほど前のことです。小林さんの人柄と、地域の人を大切にする心に感銘を受けて以来、交流を続けてきました。さらに、会社のスタッフを研修に行かせるなどして絆を深めました。
■小林由美子さん 「小林さんのバトンを受け取ってこいと言って、うちに送り込んでくれたんですね。私はそのことが、本当に嬉しくて。」 ■総商さとう社長 佐藤友則さん 「生意気な言い方をすると、小林書店の後継ぎというか。勝手にですよ、そう思ってて。」 「まちの本屋を守り抜いていきたい。」交流を通して、佐藤さんは改めて決意を新たにしました。
現在、全国では書店の数が減り続けています。総数は20年で半減し、特に広島県ではここ10年で4割も減少しています。
そんな中、開店から50年を迎えたのが、広島市中区にある紀伊國屋書店です。広島センター街の開業とともにオープンしました。蔵書28万冊をそろえる大型書店で、休日にはおよそ1500人が訪れます。50周年を祝う式典には、全国の出版社などからおよそ170人が参加し、その歴史を振り返りました。
一方で、活字離れの今の状況に危機感を覚えるのは、大型書店も同じです。 ■紀伊国屋書店社長 藤則幸男さん 「知力、学力、教養、想像力。そういうものを涵養(かんよう)するためには、スマホではなくて活字をしっかり読んで、新しい発想がでてくる・生きる意欲がでてくるというのが、読書の基本ですから。その本を提供していくのが、書店としての責任であると。」
庄原市東城町にある書店も、佐藤さんが経営しています。ここでは地域密着にこだわり、本にとどまらず、化粧品やエステコーナーなどを備えています。