力士引退…食堂6代目めざして奮闘中! 元「満津田」 病に倒れた父を助けるため故郷へ 「第二の人生」師匠は両親
父が病に倒れ、心境に変化
心境に変化があったのは5年ほど前から。父・道彦さんが病に倒れたのです。体調を崩しながらも厨房に立つを姿を見て引退を考えるようになりました。 元「満津田」・松田誉彦さん: 「(父が)帰省するたびに体調が悪くなっていくのを見て、稽古とかやってても『自分はこんなことをしていていいだろうか』『早く帰ってあげたほうがいいのでは』という思いが稽古とか相撲取ってる中で出てきたので…」
母・真理子さん(57): 「もうひと頑張りしてみたらどうかなっていう気持ちと、本人がすっきり終われるんだったら親はもう何も言うことはないかなと」
引退を決意して五月場所へ
引退を決意して臨んだ5月の夏場所。 4日目の津軽海との一番は1分を超す熱戦に。 場内から拍手が起こる中、最後は上手投げで勝ちました。 結局、夏場所は3勝4敗で終えました。 10年余りにわたる生涯通算戦績は「230勝231敗1休場」。1つ負け越しました。 元「満津田」・松田誉彦さん: 「ほぼトントンなので。相撲って勝つか負けるか2分の1。自分は生涯成績を意識したことないけど、トントンならいいかな」
故郷で始まった新たな修業
朝9時すぎ―。 飯田に戻ってからは新たな「修業」の日々。 この日は母・真理子さんと買い出しへ。 松田誉彦さん: 「勉強中だけどキャベツは千切りにするので、ギュッと詰まってたりするものとか値段を見ながら」 母・真理子さん: 「いずれやってもらうつもりでいるけど、今まだ物の良しあしとか教えてる最中なので」
店に帰ったら仕込み。頭に巻いた手ぬぐいは特別な生地で作られています。 元「満津田」・松田誉彦さん: 「一番最初に入った部屋の浴衣の生地を使って手ぬぐい作った。なんかちょっと引き締まる。最初の親方は、めっちゃ怖い親方だったので見守られてる感といいますか、力借りてます」
相撲部屋で「ちゃんこ番」をしていた経験があるとは言え、プロの料理人の世界は思った以上に厳しいものでした。 元「満津田」・松田誉彦さん: 「『ちゃんこ』はだいたいこんなもんでいいだろってあるけど、(食堂では)パン粉をつけるにしても全体に均等にしないといけないとか、小麦粉はげちゃってるところがあったらお客さまにお出しできない。緊張しながらやってます」