<センバツ>相手の隙を突く 勝負の鉄則貫いた習志野が勝利
◇第91回選抜高校野球 ○習志野8-2日章学園●(24日・甲子園) 相手の隙(すき)を逃さずに突く。勝負の鉄則を貫いた習志野が、試合開始早々に主導権を握った。 【札幌大谷・北本の大会第2号先頭打者アーチ】 一回、先頭の竹縄が遊ゴロ失で出塁し、続く小沢は「相手にミスがあったので、ここで決めれば勢いに乗るだろうと思った」と、第1ストライクをきっちり一塁前に転がして送りバントを決めた。3番・根本が3球目の外角直球を捉えて右前に引っ張り、わずか6球で先制。その後も敵失二つに乗じて長打攻勢をかけ、一挙に大量7点を奪った。 ほころびを突く姿勢は、走塁にも表れた。四回、先頭の根本は中飛の落球で一気に二塁へ。次打者の初球で離塁が大きく、捕手からけん制球を投げられたが、送球が自らのヘルメットに当たって大きく左翼方向に転がると、ためらわずに三塁を回って生還した。 習志野の昨秋のチーム打率は2割9分8厘と高くはない。それだけに小林監督は「『打撃』ではなく『攻撃』をしよう」と説き、バントや走塁の練習に力を入れてきた。根本は「『攻撃は打つことだけではない』という意識があるから、迷わず次の塁を狙えた」と声を弾ませた。 チームは次戦で、前日に17奪三振完封した右腕・奥川を擁する星稜(石川)と戦う。「自分たちが持っている力を全て出し切らないと勝てない」と根本。今大会屈指の好投手を、総力を挙げて崩しにいく。【平本泰章】