競輪界トップ戦線は異常事態 S班6名がグランプリ出場圏外、来期S班は3名以上の入れ替わりがほぼ確実/G1直前賞金状況
すで後半戦に突入している2024年の競輪界。6月のGIでは北井佑季が初タイトルを飾った。ここまで3つのGI開催を終えまだS班にタイトルはなく、すでに来期のS班は3名入れ替わることが確定的となっている。まもなく開幕するGI「オールスター競輪」を前に、S班9名を中心に獲得賞金上位陣の序盤戦の戦いを振り返りたい。(※賞金は8月5日時点)
北井佑季が初タイトル、南関は2名がGP内定
6月に行われたGI「高松宮記念杯競輪」では、2021年に31歳でデビューした元Jリーガー北井佑季が初タイトルを手にした。 これで北井は年末のKEIRINグランプリへの出場権を手にし、南関勢としては2月の全日本選抜を制した郡司浩平に続き2人目のグランプリ切符となった。 13日から、後半戦最初のGI「オールスター競輪」が開催される。直前の賞金状況を見てみると、ダービー優勝の平原康多とタイトルこそないものの安定して好成績を残しているS班・古性優作の2名が獲得賞金1億円を超えている状況だ。
グランプリ圏内に位置する3名
破竹の11連勝やダービー準Vと前半戦に大活躍した岩本俊介は6位とグランプリ出場圏内を維持。さらに吉田拓矢と小林泰正の関東2名もグランプリ出場ボーダーに位置している。 22年S班の吉田拓矢は、昨年の失格などの影響で現在はS級2班在籍となっているが、直近は成績が安定。5月ダービーでは決勝に進み、6月は地元記念(取手)初制覇を果たした。直近7月のGIIサマーナイトでも準優勝を挙げている。 小林泰正は5月ダービー、6月高松宮記念杯と立て続けにGI優出。6月には地元記念(前橋)でGIII初制覇を果たし、選手としての格もワンランク上がった印象だ。
S班6名がグランプリ出場圏外の異常事態
ここまで3つのGI開催を終え、まだS班にタイトルはない。すでに今年はS班3名の入れ替わりが確定的だ。昨年はS班が4名入れ替わり“激動の1年”と言われたが、今年はそれ以上の動きもありそうだ。 実際にS班は賞金レースでも苦戦している選手が多く、グランプリ出場圏となる賞金ランキング9位以内に入っているのは3名のみ。6名がグランプリ出場圏外という厳しい状況に置かれている。 ここで、S班のここまでの戦いぶりを振り返る。 年始から好調を維持し、1月のいわき平記念以外すべての出場レースで決勝進出している古性優作は賞金1億円を突破し2位。8月の松戸記念で今年3度目の記念Vを果たした清水裕友が4位につけている。 脇本雄太は高額賞金のダービーをケガで欠場したのが痛手となったが、復帰後は決勝進出を外さず、地元福井記念で完全優勝を挙げた。