【魅力は価格だけじゃない】SEIKO製メカ・クォーツ搭載の古典顔クロノグラフ時計が日本より海外で人気なのはなぜ!
メカ・クォーツとは秒針がクォーツ式で一般的な1秒毎に動くステップ運針ではなく、機械式ムーヴメントのごとくスムーズに動くスィープ運針するのが特徴で、クロノグラフの場合はクロノグラフ計測秒針がそれに当たる。実はいま、これがけっこう海外のマイクロブランド(小規模な独立系時計メーカー)が採用し、魅力的な時計を作って話題を呼んでいる。 【写真】3万円台から手に入るメカ・クオーツ搭載古典顔クロノグラフ5機種! そんなメカ・クォーツの存在を再認識させたのが、アメリカの“ダン・ヘンリー”やスイスの “ファーラン・マリ”ではないかと思う。両者に共通するのが1940年代前後のクロノグラフをモチーフにした古典的なデザインだ。
特に “ファーラン・マリ”は30年代のパテック フィリップのクロノグラフから着想を得て作った初のコレクションが、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)で2021年にリベレイション賞を受賞して注目を浴びた。そのため世界はもちろん日本の時計好きの間でもかなり話題となったのだ。しかも、クォーツのため当時の日本円で5万円台だったことも、さらにインパクトは強烈だったのである。 そして、このファーラン・マリが好んで採用するセイコー製メカ・クォーツのクロノグラフムーヴメントを使ったクラシックなクロノグラフウオッチは、日本ではあまり多くないものの海外を見渡すと意外に多い。 ではなぜ多いのか。おそらくは3針時計なら機械式でも比較的に低コストで作れるものの、クロノグラフになるとコストがグンと跳ね上がってしまうため投資リスクは大きくなる。 加えて分厚い自動巻きに対してクォーツならムーヴメント自体も薄いためケースサイズの自由度も高くなる。そのためデザインの幅も広がることから個性を出しやすい。つまり、小規模のマイクロブランドにとってはリスクが少なく、かつそのぶん独自性を発揮できるという点でとても扱いやすいというのがその理由として考えられるだろう。 文◎Watch LIFE NEWS編集部