ヴィンテージデニムを“嫌みなく上品”に見せるコツ。ヒントは女性の感性にアリ!?
オーシャンズ世代の服好きなら、誰もが一度は憧れ、そのまま“沼”にハマった人も多い、ヴィンテージデニムの世界。 ▶︎すべての写真を見る 数あるデニムのなかで最も“まんまアメカジ”に陥りやすいタイプなだけに、アラフォーの大人はどう攻略すべきか。 前編に続き、ここでは具体的な合わせ方や小物使いなどについて教えてもらった。
教えてくれたのはこの2人
「ザニーム」コンセプター 長尾悦美さん 1981年、北海道生まれ。30歳で上京。現在は髙島屋スタイル&エディットのディレクターを務めながら、他社のブランドコンセプターなども手掛けており、さまざまなジャンルに活躍の場を広げている。
「ベルベルジン」 ディレクター 藤原 裕さん 1977年、高知県生まれ。ヴィンテージデニム・マエストロとしてブランドのデニム開発にも携わる。「ザニーム」には旧知の仲である長尾さんに請われ参画。日本人女性に合うサイズを中心にセレクトした。
仕立てのいい服を合わせて、アクを抜く
長尾 さらに極端な例をいえば、アーティストが既存の服に刺繍やドローイングを加えた、いわばアートピースのような一点モノの服と合わせてみるのも、面白いかもしれませんね。 存在感のあるアイテムが少しの茶目っ気や遊び心を足してくれますし、個性溢れるオンリーワンのスタイリングが完成されて、デニム特有のラフさがうまい具合に緩和されるような気がします。 ーーいわゆる「ラグジュアリーMIX」や「ハズし」を加えるという感覚に近そうですね。このサジ加減がなかなか難しいのですが……。 長尾 あまり難しく考えなくてもいいと思いますよ。要は、嫌みなく洗練された印象に見せる、ということが大切。それでいうと、「リバーバレイト」というブランドが、ヴィンテージデニムの相棒にピッタリかもしれません。 とにかく生地の質感や仕立てが良く、誰が着ても美しいシルエットを描いてくれます。大きなロゴなどの主張がないきわめてベーシックな服なのに、気が利いたデザインでちゃんと個性があるという点も見事。まさに“推し”ですね! 藤原 語る熱量が違うね。 長尾 「ザニーム」でも取り扱いますが、もともとはメンズのデザイナーが手掛けるメンズのブランドなんです。でも、すごく軽やかで今っぽく、年代、性別を問わずにおすすめできますね。 カップルでシェアしてもいい。コンテンポラリーな印象を演出できるので、デニムのアクや粗野な印象がうまく中和されると思います。 ーーそのほかに、細かなテクニックでポイントは? 長尾 白Tの着こなし方ですかね。 ーーデニムに白Tですか? 藤原 ただしイケメンに限る、というのはナシにしましょう(笑)。 長尾 白T一枚の話ではなく、インナーとして重ねる白Tシャツのニュアンスも意外に見逃せないんですよ。特にオーシャンズのようなシンプルなスタイリングの場合は、首回りや裾からチラッと覗く白が、じわりと効いてきます。細かすぎますかね? 藤原 そのあたりの塩梅をわかっている大人の男性って、男から見ても格好いい! 逆にTシャツ一枚で合わせるなら、実は黒Tがカンタン。手軽に引き締まって見えますし、なによりヴィンテージデニムが映えるんですよ!