橋岡優輝がパリ切符も「こんな悪い内容久しぶり」…試合中にサニブラウンからも「喝」
陸上・日本選手権第3日(29日・新潟デンカビッグスワンスタジアム=読売新聞社後援)――パリ五輪代表選考会を兼ねて行われ、男子走り幅跳びは橋岡優輝(富士通)が7メートル95(追い風参考)で2大会ぶりに優勝し、2大会連続となる五輪出場を決めた。
8メートル届かず 助走に課題
試技の前に、優勝とパリ五輪代表内定が決まった男子走り幅跳びの6本目。橋岡の大きな跳躍は、8メートルを超えたかに見えた。しかし、わずかに踏み切り板を越えてファウル。悔しそうな表情で橋岡は、「久しぶりにこんな内容の悪い試合をした」と反省しきりだった。
絶好調ではなかった。「けがまでいかなかったが、ちょっと体のバランスが崩れ、うまく練習が積めてなかった」。助走スピードが上がらず、2本目に2・4メートルの追い風に恵まれて7メートル95を跳び、辛くも逃げ切った。徐々にキレが戻り「最後の1本はまあまあ。最低限の助走ができた」ことが、数少ない収穫だった。
一昨年の冬から、仲のいいサニブラウン・ハキーム(東レ)と同じ米国のタンブルウィード・トラッククラブで走力を磨いてきた。試合中、ライブ配信を見ていたサニブラウンから関係者を通じ「もうちょっと走った方がいいぞ」とメッセージが届いたという。「この1か月は忙しくなる。かなりしっかりやらないといけない」と気を引き締める。
6位入賞を遂げた東京五輪を、「不完全燃焼だった。今でも悔しい」と振り返る。目指しているのは、もっと上の高み。「やり切れたと思えて、それに結果がついてくればいい。メダルを獲得しようと思う」。パリで迎える2度目の五輪。本領発揮の大ジャンプで、表彰台の夢をかなえるか。(田上幸広)
100障害 福部標準突破 女子100メートル障害準決勝で日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)が、五輪参加標準記録の12秒77を突破する12秒75で全体トップ通過。「やっとスタート地点に立てた」と喜んだ。昨年の日本選手権は4位で世界選手権の出場を逃し、「今年は特大の笑顔で終わりたい。もう一度12秒7台が出せれば、五輪でも戦っていける」と意気込んだ。