ボニージャックス・鹿島武臣さん「脳幹出血」で逝去 前兆となる症状・原因を医師が解説
脳幹出血を疑う場合の対処法や検査方法
編集部:脳幹出血の発症を疑う場合の対処法が知りたいです。 甲斐沼先生:脳幹出血の発症が疑われる場合は、一刻も早い処置が必要となります。躊躇せずに救急車を呼ぶ・専門の医療機関を受診するようにしましょう。 編集部:脳幹出血の際はどのように診断するのですか? 甲斐沼先生:脳幹出血は、症状だけでは脳梗塞との判別が難しい病気です。そのため、疑わしい場合はまず頭部CTを撮影します。 頭部CTによって脳出血・脳梗塞・出血部位の特定が可能です。頭部CTで、脳幹の内部に白い部分の存在が確認できる場合は脳幹出血と診断できます。 CTで脳出血が疑われる場合でも、くも膜下出血や脳血管の奇形など他の疾患が疑わしい場合は、MRIや脳血管撮影などの検査を追加で行い、より詳細に診断していく場合が多いです。 編集部:脳幹出血の検査内容・方法を教えてください。 甲斐沼先生:脳幹出血の検査の基本となる頭部CTは、レントゲン検査ではわからない体内の詳細な画像情報を得ることができる検査です。 X線を用いて、頭蓋内の断層写真を撮影することができるため、脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血・脳腫瘍・動脈硬化・脳動脈・水頭症の診断を迅速に行うことができます。CT検査は、1分程の短時間で済むため閉所が苦手な方でも負担の少ない検査です。 高血圧以外の出血の原因が疑われる場合には、必要に応じて造影剤を使用したCTアンギオ検査・MRI・脳血管造影検査を行う場合もあります。MRI検査は、強力な磁石と電波を使い、磁場を発生させて行う検査です。 CT検査と比べると15~45分程と検査時間が長く、検査中は同じ姿勢を保つ必要があります。MRIではあらゆる方向から見た脳の断面図を撮影することができるため、病変・リスクの特定にも有効です。 CTアンギオ検査は、動脈(静脈)からカテーテルを挿入し、造影剤で血管を撮影する検査です。血管の状態を詳細に確認することで、他の疾患が生じていないか判断することができます。