CHIPS法支援金の「駆け込み分配」が進む? トランプ政権移行前に
Elon Musk氏の影響力にも注視
トランプ大統領は中国の半導体に関税を課すと公言していて、貿易不均衡を是正するために関税率を上げてきた歴史があるとKoch氏は指摘した。 「われわれは、トランプ氏が最後までやり遂げることを期待している。米国の半導体メーカーは、関税をかけられた製品よりも価格で競争できるため、利益を得ることができる。これは特に、中国のサプライヤーが低価格の製品を市場に氾濫させている成熟した特殊用途に有益だ。これらの分野には依然として戦略的価値があり、米国の能力を維持することは国家安全保障にとって重要になる」 アナリストによると、米国とオランダや日本など半導体同盟国との間の摩擦は、トランプ政権下でのさらなる輸出規制によって悪化する可能性がある。3つの同盟国は、EUV(極端紫外線)リソグラフィなどの主要技術における中国への輸出規制を順守することで合意している。 台湾も注目されるだろう。 「台湾が米国の半導体産業を盗んだ」というトランプ氏の発言は、Teslaを含む米国企業が台湾中心のサプライチェーンに依存し続けている問題にどう対処するかについて、トランプ氏がアドバイザーに頼る必要があることを示唆していると、Triolo氏は分析する。 トランプ氏は、SpaceXとStarLinkを所有するElon Musk氏に政権の要職を与えると約束している。どちらも米政府の主要なサプライヤーだ。Musk氏は、TeslaがEV(電気自動車)を製造している中国とも密接な関係がある。これには眉をひそめる人もいる。 「トランプ政権で大きな影響力を持ち、中国、AI、半導体に焦点を当てているMusk氏とPeter Thiel氏を取り巻く保守系ベンチャーキャピタリストのグループは現在、影響力を増していて、これらも加わると、利害と課題が複雑に絡み合うことになる」(Triolo氏)。「Musk氏はまた、中国とテクノロジーの問題でトランプ氏に影響を与え得る潜在的に重要な立場にある。さらなるデカップリングに反対したり、紛争のリスクを高める可能性のある、台湾への支援強化の動きに反対したりといった具合だ」 ※米国EE Timesの記事を翻訳、編集したものです。
EE Times Japan