「生まれてきて良かった」羽生結弦さん ツアー初日30歳誕生日を1万4000人が祝福
プロスケーターの羽生結弦さんが30歳の誕生日を迎えた7日、埼玉・さいたまスーパーアリーナで新ツアー「Yuzuru Hanyu ICE STORY 3rd “Echoes of Life” TOUR」をスタートさせた。満員の1万4000人のファンの前で、約2時間50分にわたって15曲を熱演。アンコールでは「Happy birthday to you」の大合唱を浴び、喜びをかみしめた。「未来は自分が想像しているよりも、もっともっと良くなる」。希望とともに、30代が幕を開けた。 1万4000人の愛に包まれ、羽生さんが30歳のスタートを切った。アンコールでのあいさつの後に「ということで誕生日です」と切り出すと、会場の盛り上がりは最高潮に達した。「ありがとうございます。いえーい。生まれたー、生まれたよー!」。右手を突き上げた。「Dear ゆづ~[おんぷ]」のバースデーソングの大合唱に耳を傾け、氷上をはねた。 出演・制作総指揮を務めるアイスストーリーは第3弾を迎えた。人生の旅路や成長をテーマに「命」「生きる」ことの本質を問う物語となっており、今回も自らストーリーを練り上げた。「いろいろ考えたなかで選曲もこだわった」と言い、多岐にわたるジャンルを織り交ぜた。「産声~めぐり」など多くの新曲を含む計15曲を熱演した。見せ場は5曲で構成された前半の「ピアノコレクション」コーナー。そこから金メダルを獲得した平昌五輪のショートプログラム(SP)「バラード第1番」に続き、4回転サルコーなどを決めた。 約2時間50分を一人で滑りきった。最後は「生まれてきて良かった。ありがとうございました」と感謝を込めてリンクを下りた。「やっと経験や感覚、技術だったりの脂が乗ってくる。自分自身の未来に希望を持って、絶対にチャンスをつかむんだという気持ちを常に持ちながら、練習もトレーニングも本番も臨みたい」。進化を続けるプロスケーターは、これから訪れる30代の日々を楽しみにした。 公演は9、11日にさいたまスーパーアリーナ、来年1月に広島、2月に千葉でも開催する。(高木 恵) ゆづに聞く ―初日を終えて。 「とうとう開幕したなっていう感じが一番強い。本当にたくさん緊張したし、すごく時間をかけて毎日トレーニングも練習も積んできたけど、やはり本番になってみて皆さんの前で滑ってみないと分からない。けがなくストーリーとして完結できて良かった」 ―このような光景の中で迎えた30代。 「30歳になるんだなあっていう気持ち。幼い頃からずっと思っていた30代と、今現在自分が感じているこの体の感覚や精神状態も含めると、全然想像と違ってたなって思いますし、まだまだやれるなっていう気持ち。30、おっさんじゃんって思ってた頃とは違った30代を迎えることができた」 ―30代の抱負。 「フィギュアスケート年齢としては劣化という漠然としたイメージがあったんですけど、野球やサッカーに置き換えて考えてみたら、経験や自分の感覚、技術とかが脂が乗ってくる時期。自分の未来に希望を持って、絶対にチャンスをつかむんだっていう気持ちを常に持ちながら、練習もトレーニングも本番も臨みたい」 ▽セットリスト 〈1〉First Pulse 〈2〉産声~めぐり 〈3〉Utai IV~Reawakening 〈4〉Mass Destruction―Reload― 〈5〉アノコレクション 5―1 6Pieces for Piano,Op.118:No.3,Ballade in G Minor.Allegro energio 5―2 The Well―Tempered Clavier,Book1:No2,Prelude and Fugue in C minor,BWV 847 5―3 Keyboard Sonata in D Minor,K.141 5―4 12 Etudes,Op.25:No.12 in C Minor ”Ocean” 5―5 12 Etudes,Op.10:No.4 in C‐Sharp Minor ”Torrent” 〈6〉Ballade No.1 in G Minor,Op.23 〈7〉Goliath(2024Remix) 〈8〉アクアの旅路(Piano Solo Ver.) 〈9〉Eclipse/blue 〈10〉GATE OF STEINER―Aesthetics on Ice 〈11〉Danny Boy 〈12〉全ての人の魂の詩 (アンコール) 〈1〉Let Me Entertain You 〈2〉阿修羅ちゃん 〈3〉SEIMEI
報知新聞社