「虎に翼」が好評の小林涼子に聞く、自分らしいキャリアの耕し方。
NHKの連続テレビ小説「虎に翼」で、主人公・猪爪寅子が通う明律大学女子部の先輩、久保田聡子を好演している小林涼子。 俳優としてキャリアを重ねる一方、2021年にはAGRIKO(アグリコ)を起業。都心のビルでアクアポニックス(※)、農業と福祉の連携など社会課題解決を目指す都市型農業にも取り組み、昨年にはフィガロジャポン BWA Award 2023を受賞した。今年4月からはJ-WAVEの新番組「EARLY GLORY」のメインナビゲーターに就任し、ラジオパーソナリティという肩書も加わった。多忙な中でも果敢に自分らしいキャリアを切り拓いている彼女が大切にしていることとは? ※水産養殖と水耕栽培を組み合わせた循環型生産システム。魚などの排泄物が微生物に分解されて植物の養分となり、浄化された水が再び魚の水槽に戻る仕組み。
―「虎に翼」が好調です。寅子たちを見守る先輩・久保田聡子役にどんな印象を持っていますか?
久保田役を、皆さん好意的に受け止めてくださって良かったです。全国どこへ行っても「見たよ!」と声をかけていただくので、朝ドラはこんなに注目されているんだなぁと改めて思いました。 撮影は昨年10月からでしたが、最初に久保田役をもらった時、台本には「~~だ」「~~である」「~~したまえ」みたいなセリフがすごくあったので、正直「この役がどうして私に?」という疑問もあったんです。これまでもうちょっと、はかなかったり、哀しかったり、切ない役が多かったので、闘う女性みたいなイメージのある久保田をどう演じればいいのか、最初はすごく悩みました。 でも、監督とお話するなかで、男性への憧れもどこかにあって、一生懸命虚勢を張ってがんばらなくてはと思ってはいるけれど、ふとした瞬間に女性の一面も出てしまうバランスがあるといいね、と言われていたので、堂々としたリーダーであり、「後輩のみんなを守らなくては」というお父さんのような気持ちでいる一方、女性的な感じもうまく出るように意識しました。