歌手・門倉有希さんが乳がんで死去 「乳がんを疑うしこりの特徴」を医師が解説
乳がんのしこり以外の代表的な症状
乳がんは発症しても自覚症状を伴わない場合が多くあります。そのため、定期的に乳がん検診を受けることが大切です。一方で、どのような変化に気をつけるべきかを知っておくことも非常に大切です。本章では、代表的な症状について解説します。 ・乳糖から分泌液が出る 乳がんの症状のひとつとして、乳頭からの分泌液があります。出産後の授乳期であれば、乳頭から乳汁が出るのは正常です。しかし、乳頭から血が混じったり、ピンク色の分泌液が見られたりする場合はご注意ください。さらっとした水のような分泌液や乳汁のような分泌液であれば、乳腺症によるものなど乳がんではない確率も高いですが、判別のためには検査を受けてください。 ・乳房の皮膚のくぼみ 乳がんを発症していると、まるで頬のえくぼのように皮膚がへこむ「えくぼ症状」が見られる場合があります。がん細胞が皮下組織や皮膚に広がると、その部分が陥没するためです。ただし、数カ月以内に乳房を打撲したといった心当たりがあれば、乳房の脂肪が壊死して皮膚がくぼむ可能性もあります。見た目では乳がんとの判別が難しいので、外科または乳腺外科にて医師の診察を受けましょう。 ・乳頭や乳輪がただれる 乳頭や乳輪がただれている場合は、「乳房パジェット病」の可能性があります。乳房バジェット病は乳管のがんが乳頭の皮膚に広がって生じ、その割合は乳がん全体の1~2%とされるめずらしい乳がんです。乳房パジェット病はただれのみならず、乳頭や乳輪の皮膚がうろこ状になったり、乳頭から黄色い液体が分泌されたりすることもあります。 ・左右の乳房の形が非対称になる 乳がんを発症すると、左右の乳房が非対称になる場合があります。乳がんは片側に発症するケースが多く、乳房の内部にしこり等ができることによって左右の大きさに差が生じるからです。とはいえ、乳房の左右非対称は炎症が生じていても見られる場合があるため、必ずしも乳がんとは限りません。しかし、左右の乳房の形が異なるようであれば、検査を受けて乳がんか否かを確認しましょう。