【40代・50代ご用心!「痔」はお尻の生活習慣病③】肛門科専門外来では、どんな診察&治療が行われるの?
痔核や裂肛などの症状に気づいた際、もしも、便器を真っ赤にするほどの出血、熱感を伴う腫れや痛みがある場合は、早めに医師にチェックしてもらうことが肝心だ。痔の診察や治療について、女性のための肛門科専門外来のエキスパート、消化器外科医の高橋知子さんに伺った。
受診が必要な症状の目安は? 出血が見られたら早めの受診を
「お尻に異変を感じても、恥ずかしさから受診をためらってしまう人が少なくありません。でも、便器が真っ赤になるほどの出血がある場合は、痔核の悪化、もしくは大腸がんの可能性があります。特に、1日10回以上の出血を伴う下痢が続く場合は、潰瘍性大腸炎などの大腸疾患の疑いがあります。早めに受診してください」と高橋先生。 もしも急に、肛門内に戻せない腫れが現れて出っ張ったままになり強い痛みを伴うときは「嵌頓(かんとん)痔核」かもしれない。あるいは肛門の近くに血豆ができてしまう「血栓性外痔核」も強い痛みがある。どちらも急性症状で、内服薬や軟膏で炎症と痛みを取り除くことができる。
●嵌頓痔核 肛門の外に飛び出した内痔核が腫れて、肛門に戻らなくなってしまう
●血栓性外痔核 肛門の近くに血豆ができてしまう また、肛門周囲の皮膚に熱感を伴う腫れが生じたり、発熱、肛門の奥の強い痛みを伴う場合は、細菌感染がもとで肛門周囲に膿がたまる「肛門周囲膿瘍(のうよう)」が疑われる。肛門周囲膿瘍から痔瘻(じろう)に移行する可能性もあるため、まずは炎症を抑えて、肛門の周囲にたまっている膿を出してあげる処置が必要だ。痔瘻は圧倒的に男性に多い肛門疾患だが、下痢しやすい人は注意しよう。
《こんな症状が見られたら、迷わず受診!》 ・便器を真っ赤にする出血が続いている ・激しい痛みがあり、痔核が悪化している気がする ・肛門の近くの皮膚に熱感を伴う腫れがあり、大きくなってきた ・肛門の周辺、または肛門の奥に激しい痛みがある ・肛門周囲の腫れに発熱を伴う ・排便時に肛門が切れるのを繰り返している