50歳・億り人が考える老後の「お金の使い道」 「アラフィフになるともう新しいものはいらない」、家族、社会、地元への恩返しの大切さ
誰かのためにお金を使う
私は、48歳で「子ども食堂」の運営に携わりました。地元のいろんな子ども食堂を見て回り、立ち上がったばかりの課題山積の子ども食堂にあえて飛び込みました。 不定期でお手伝いしたり、寄付をしたり、食材を提供したりする「支援メンバー」ではなく(もちろん、それも素晴らしい貢献で、そういう人がおられるから成り立っています)、定期的で直接運営に携わる「運営メンバー」となりました。 組織化ができていない、集客ができていない、寄付・食材が足りていない、コロナ禍でのオペレーション……山積の課題をひとつずつ解決して、数ヶ月で毎回売り切れとなるまで育てて、市役所から褒められました。 地元への恩返し、次世代への貢献でしたことですが、逆に子どもたちの笑顔に元気を貰う結果になりました。現在、その子ども食堂は、会場となる飲食店の店主さんが体調不良となりお休みしています。店主さんの復帰を待ちながらも、別の子ども食堂の支援メンバーとなり活動しています。 投資を通じた貢献もしています。新興国への投資は、社会貢献、国際貢献の気持ちも含みます。たとえば、ベトナム株投資は、電力関連への投資もしていて、ベトナムの課題である電力不足の解消に微力ながらも貢献したいと願っています。 人生の終盤では、保有する個別株やETFの一部を売却して、地元に高規格救急車を寄贈することを決めています。車種はトヨタのハイメディック、予算はインフレを勘案して2500万円くらいで見積もっています。地元への恩返しです。 さらには、この先数十年間の資産運用の結果次第ではありますが、死後は遺贈も考えています。そこで、「マイ基金」という手段を選択肢に入れています。自分の遺産を、自分が思い入れのある公益活動に使うことができるのです。
自分で財団を作るには、設立の知識・労力、自分の死後に運営を託せるか? など問題がありますが、「マイ基金」なら手軽です。 窓口は複数の公益財団法人がやっています。自分が支援したい分野を指定して、税金の優遇を受けて、手続きはすべて窓口となる公益財団法人にやってもらえるというのが特長です。金額のハードルは低く、公益財団法人によりますが、数万円や100万円からとなっています。金額が大きくなれば、資産を現金化する必要はなく、株式でも可能です。 そして、基金(私の場合は株式やETF)を取り崩さず(現金化せず)に、その運用収益により永続的に活動する選択肢もあります。ちなみに、マイ基金の名前は「おけいどん子ども食堂基金」「桶井道○○大学奨学基金」など自分でつけることができます。 このように、私の死後も、私の意志(=救急車、マイ基金)は生き続けて、誰かに貢献していく、こんなに素晴らしいことはないと思います。 改めて皆さんに声を大にして伝えたいのは、お金を有効活用する大切さです。家族、社会、地元(地域)に恩返ししていく。社会貢献および国際貢献、次世代を意識する。もちろん、自分のために「還元」もする。 お金は有効活用して「なんぼ」です。資産額3000万円なり、5000万円なり、1億円なり……、また配当金額100万円なり、200万円なり……、目標額を決めることは大切です。具体化するから行動が決まります。 ですが、そこまで増やすこと自体を目的にしてはいけません。そのお金をどう使うかが大切なのです。 私のようにゴールベースで考えて、「○○がしたい」から目標額が具体的に決まってくるのです。何度も繰り返しますように、ゴールベースのアプローチがお勧めです。 ただし、若いうちは、人生の目標を立てるのは困難ですから、たとえば10年後の目標でも構いません。目標をセットしたら、そこに向かって行動しましょう。