「牛乳は10年で3割値上げ」「1000円超えのケーキ」なぜ乳製品の高騰は止まらない…?日本の酪農家が直面する「過酷な現実」
国産バターはもはや高級品
このまま酪農家が減っていけば、一体どういう事態が起きるのだろうか。 「私たちにとって最も身近な『学校牛乳』は、当面は大丈夫だと思います。飲用乳、つまり牛乳は液状のため輸送や貯蔵が困難で、かつ鮮度が大事なので国産に優位性がある。現在もそのほとんどが国産です。ただ、バターや生クリームなど、いわゆる国産乳を使った乳製品は、どんどん輸入品に取って代わられるようになると思います」 事実、国産バターはもはや高級品だ。2023年3月に426円(200g当たり)だった平均価格は、2024年9月には518円と、わずか1年半で約25%値上がりした。 デパートなどでは、ケーキの値段が1ピース1000円を超えることも珍しくなくなってきている。軽い気持ちでショーケースを覗いてみてギョッとした人も多いだろう。 「そもそもバターは1Lの生乳から30gしかできない大変貴重なものです。それでも高品質な国産品には輸入品より優位性があるので、本当はメーカーも増産したいのですが、副産物としてそこまで需要のない脱脂粉乳も大量に出てしまう。この処理に困るので、そうもいかないんですね。 すでに業務用バターは昨年から供給制限がかかっていて、パティシエたちからは『もう国産バターは高くて買えない』と悲鳴が上がっています。チョコレートやフルーツなども同時に値上がりしているので、いまお菓子屋さんは本当に大変だと思います」 ………… 【つづきを読む】『1日5時間労働で年収1000万以上も夢じゃない!?若者たちが続々と参入…いま《酪農の世界》がアツい「意外な理由」』
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