ルパン三世『カリオストロの城』がきっかけという真っ赤なフィアット500Xのオーナーの「好きなところですか? うーん、全部!」という答えが最高!
どうしても自分のクルマが欲しかった!
エンジン編集部唯一の20代ムラヤマが担当する連載『若者だってクルマ好き!』。今回は、小さい頃からクルマは身近な存在だったという24歳の大内さんを取材した。初めて買うマイカーの候補としてフィアットが頭に浮かんだのは、ルパン三世『カリオストロの城』がきっかけだという。 【写真26枚】ルパン三世のチンクエチェントにときめいたオーナーの赤い500Xの詳しい写真はこちら ◆クルマのある生活が自然 3月24日の朝9時。待ち合わせ場所の広い駐車場に先に到着して待っていると、約束の時間より少し早く、フィアット500Xがやってきた。他のクルマの出入りも多かったけれど、ビビッドな赤色だからすぐに気がついた。 私とカメラマンを見つけると、にこやかに手を振って、慣れた様子でクルマを停めて降りてきたのは千葉県に住む大内 琳(おおうち・りん)さん。この春で社会人3年目を迎えた24歳の会社員で、アプリケーション・エンジニアとして働いている。 大内さんの愛車、フィアット500Xポップスター・プラスは2018年型。昨年の10月に納車されてから、ちょうど半年が経つ。 「中古車の販売をしている大学の先輩を通じて探してもらいました。予算はもちろん色や装備など、なかなか希望の条件に合う個体が見つからなくて時間がかかったけれど、満足のいくものが手に入りました」 東京で育った大内さんだが、小さい頃からクルマは身近な存在だったと振り返る。 「家族で出かけるとなれば、移動はクルマが基本でした。旅行に行くのも、おじいちゃん、おばあちゃんのところに遊びに行くのも。お兄ちゃんはサッカーをしていて、その試合をみんなで見に行ったりもしたなぁ。荷物もたくさん持っていけるからクルマは楽だというのもあるけれど、それ以上にクルマで移動する方が我が家ではなじみがあるし、自然だったんです」 ◆マイカーが欲しい! 大内さんが運転免許を取ったのは大学2年生の夏。学生の間は、実家のクルマや旅先でレンタカーの運転を楽しんでいたという。自分のクルマが欲しいと現実的に考え始めたのは昨年の春。仕事も2年目に入り、余裕が生まれた頃だった。 「電車は時間に正確だから予定を立てやすいけど、クルマって自由ですよね。どこに寄り道しても良いし、ふと思い立ってもすぐに出かけられる。私の周りにはクルマを持っている人も多いから、買うことに対するハードルも低かったです。そして何より、自分が好きなクルマに乗れるのは、実は今のうちだけかも、と思ったのが大きいかな。将来、結婚したり家族が増えたりしたら、例えば荷物がたくさん積めるとか、他の条件で選ぶことになるかもしれない。親には維持費を心配されたけど、それよりも自分のクルマで移動したい、という気持ちが強くて」 と、その理由をにこやかに話してくれた。欲しいクルマは、心の中ではもう決まっていたという。 「スポーツカーもかっこいいなと思うけれど、自分で買うなら丸っこいデザインのクルマが好きなんです。フォルクスワーゲン・ビートルとか、ミニとか。でも、あまりメジャーではない方が良い。ミニは街中でたくさん見かけるから、あまり人と被らないクルマが欲しい。ルパン三世『カリオストロの城』に登場する昔のフィアット500を見てから、フィアットはずっと気になっていました」 フィアットといえば500のイメージが強い。大内さんはなぜ、一回り大きな500Xを選んだのか。 「一番の理由は、友達を乗せてドライブに出かけたいから。後席がしっかりあって、調べてみると500よりもエンジン・パワーもある。ちゃんと実用的なのに、お顔は500とほとんど同じ。そのギャップが気に入りました。あとは、イタリアのクルマは壊れやすいイメージがあったから、早いうちに乗っておこう、と勢いで(笑)。色はたくさん種類があるけど、赤が一番かわいいなと思います。あまり赤色の500Xを見かけないのも嬉しい!」 納車されてから、これまで約6000kmを走ったという。 「会社は自転車でも行けるのに、かわいいからつい、500Xに乗ることも多くて(笑)。一般道だとスピードがなかなか乗らないけれど、高速の運転は結構楽しいです。この間は富士サファリパークに、ライオンの赤ちゃんに会いに行きました!」 大内さんは500Xに心底惚れ込んでいるようだ。なかでも一番のお気に入りポイントは何かと聞くと、少し困った顔をした。 「好きなところは…… うーん、全部! 細かいところだと、ウインカーの音までかわいくて好き。調べてみると、ドア・ハンドルが取れるとか、びっくりするような噂もあるけれど、何と言ってもかわいいから、そんなの全部許せちゃいます(笑)」 幸い、今までのトラブルといえばバッテリーが上がってしまったことくらいだとか。大内さんが溺愛する500Xは、これからも大内さんを楽しませ続けてくれるだろう。 文=村山雄哉(本誌) 写真=茂呂幸正 (ENGINE2024年6月号)
ENGINE編集部
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