フェムテック市場で食品のニーズが拡大 女性の健康課題捉える
フェムテック(女性の健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービス)市場において、食品の存在感が増しつつある。これまで、生理用品や妊活向けの医薬関連商品を中心に拡大してきたが、ここにきて日常生活により取り入れやすいサプリメントのニーズが高まっている。女性活躍が推進される中、「健康日本21(第三次)」では“女性の健康”が明記され、骨粗しょう症健診受診率が新たに目標に加えられた。ライフステージに沿った健康づくりが重視され、将来の妊娠に備える“プレコンセプションケア”といった概念も関心が高まり、製薬企業もサプリの拡充に乗り出している。忙しい毎日の中で医薬品などはハードルが高く、より手軽に摂取できる食品が注目されている。
医薬品ではない“手軽さ”でより身近に
10月中旬、女性の健康をテーマに開催した展示会「Fem+(フェムプラス)2024」では、サプリや飲料などの食品の展示が目立った。アサヒグループ食品は、今年1月に投入した月経に関する機能性表示食品「わたしプロローグ」に加え、加齢とともに低下する女性の骨密度に着目した「骨こつケア」も紹介した。 明治は「明治フェムニケアフード α-LunA(アルファルナ)」を出展し、主要成分の「α-ラクトアルブミン」が生乳に含まれるタンパク質の一つであることを紹介。サントリー食品インターナショナルは、8月に投入したセルフケアドリンク「menphys(メンフィス)GABA&大豆イソフラボン&鉄分」を展示し、女性特有のイライラ期の悩み解消をアピールをした。 王子食品の膣内ケア向け「フェムケアファイバー」は、5種類の乳酸菌と水溶性食物繊維で作ったスティックタイプの粉末サプリ。ユーザーの要望に応じて、栄養成分を調整できる小ロットOEMを提案した。フジスコは7月に発売開始した栄養機能食品「ザクロ&プラセンタ」を試飲提供。ビタミンB6のほか、豚プラセンタエキス、コラーゲンペプチドなど女性向け成分を盛り込んだ。 Mahaloは、女性の“ゆらぎ”に着目したハーブティー「mycy」シリーズ3品を展開。いずれもルイボスティーをベースに、ビタミン豊富な「ハイビスカス」などを用意している。ドクタービセアは、野草と機能性食品をブレンドした独自のフェミニンハーブティーを業務用として訴求した。 “プレコンセプションケア”に着目した商品も登場。バイエル薬品は、胎児の正常な発育に寄与する葉酸を中心にしたマルチビタミンサプリ「エレビット」シリーズを出展した。赤ちゃんがほしいと思った時から摂取する商品から、妊娠期に必要なDHAサプリや産後ケア商品、パートナーの男性向けサプリまで幅広くラインアップ。このほか、ベルタも妊娠前から育児までの女性のライフステージに寄り添ったサプリ群を揃えている。
日本食糧新聞社