「このホール、パーなら100切れるよ!」は迷惑? やってしまいがちな同伴者のスコアに口を出す行為はマナー違反?
同伴者との関係性を加味して判断する必要がある
ゴルフは「メンタルのスポーツ」や「ミスのスポーツ」ともいわれ、18ホールの中で喜怒哀楽が見られるのも醍醐味の一つです。 【写真】ベテランでも意外と正しくできてない!? バンカーのならし方、レーキの置き方
ですが、ラウンド中に「このホール、パーなら80台じゃない?」などと声をかけられ、プレッシャーを感じた経験のある人もいるのではないでしょうか。 では、プレー中に同伴者のスコアに関することを口に出すのは、マナー違反なのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。 「同伴者のスコアに直接関係する発言をむやみやたらに繰り返し、余計なプレッシャーを与えたりする行為は、とくに競技会やコンペの場合はできるだけ控えた方がいいでしょう」 「仲間内のラウンドであれば、楽しくプレーをするために盛り上げる効果はあると思います。例えば『このバンカーから1発で出せたらかっこいいよ』や『バーディー狙っちゃえ!』といった感じで、仲間を鼓舞してあげるとその気にもなれますし、そのショットが成功したら仲間同士で喜び合えます」 プライベートのラウンドは「エンジョイゴルフ」と位置づけ、スコアをあまり気にしない人も多いですが、月例会やコンペともなると1打1打集中して打ちたいという人もいます。スコアの話をする際には、その時のシチュエーションやその人との関係性を加味して判断する必要があるでしょう。
ゴルフの試合は独特な雰囲気がある
他のスポーツでは対戦相手のミスを誘うようなプレーやしぐさをする場面も見かけますが、ゴルフではそのような要素はあるのでしょうか。 「日本ではストロークプレーの方が浸透していますが、1組4人でプレーするとはいえ実質的には個人競技であると同時に審判員がいない自己責任を伴うスポーツでもあるので、他のスポーツと比べて対戦相手との接し方には少々独特な雰囲気があります」 「一方、海外では1対1のマッチプレーも非常に人気を博しています。マッチプレーの場合は1ホールごとに勝敗が決まるので『心理戦』の要素があります。駆け引きをし合う点でストロークプレーとは異なる楽しみ方があるでしょう」 「例えば、相手が1メートルのパーパットを残していて、自分が10メートル以上のパーパットをこれから打つ場合。『このホールは負けた』とボールを拾い上げ『心の余裕はまだまだある』という意思表示を見せて相手をけん制することもあります」 プライベートのラウンドで、この同伴者には負けたくないということもあるかもしれませんが、悪質なプレッシャーをかけるのは、やはり紳士的ではありません。ゴルフは自分自身との戦いが前提となるので、同伴者にはリスペクトの気持ちを持って、素晴らしいショットを放った際は褒めたたえながら楽しくプレーするのがお互い気持ちいいでしょう。
ピーコックブルー