48歳の中日・山本昌 本人に聞いた31年目の挑戦
■去年を超えるためのプラスα 新変化球に取り組む 「そうやって常に新しいチャレンジをすることでモチベーションが維持されているんだな?」 私が、そう結論つけると、山本昌は、大きくうなずいた。 「去年は、たったの5勝しかできてないんですよ。何かプラスアルファを考えていかないと、そこを超えられないし、何も変わらないじゃないですか。だから、今年は、新しい変化球に取り組むつもりです。ツーシームとカットボールです」 昨季は、クオリティスタートを守ったゲームも少なくなかった。1失点で負け投手になった交流戦の楽天戦など、味方打線のリズムとも噛み合わず、結果的に5勝2敗の不本意な成績に終わった。16試合に先発して70イニング3分の2。1試合平均で5イニングに満たないという数字は物足りない。プロ生活が31年目ともなる山本昌には、勝つためには、どんな準備が必要で、何を優先しなければならないかがわかっている。1年間、ローテーを守り、イニング数を伸ばしてゲームを作ることである。 「そうなんです。だから新しい変化球なんです。それを使うことによって球数を減らしたいんです。球数を減らせばイニングを伸ばせます」 なるほど、31年目にしての挑戦の理由がよくわかった。新しい変化球を使い打たせて取るピッチングを心がけ、球数を減らしながらイニング数を伸ばそうと考えたわけである。 ■阪神007が警戒「2桁勝つんじゃないですか」 阪神の中日担当スコアラーである嶋田章弘が、たまたま読谷のブルペンに顔を出した。今季の山本昌について感想を聞く。 「48歳でしょう。凄いというしか言いようがない。衰えなんかないですものね。昔からボールが速かったわけじゃない。どう速く見せるかを考えて、変化球を打たせるピッチャー。1点をやっても2点目を渡さない粘り強さが持ち味でしょう。つまり恐ろしいほど、何十年もスタイルもボールの質も何も変わっていない。加えて新球ですか? オープン戦からはチェックしていきます。去年は、5勝7敗だけど、味方打線とうまく噛み合えば、また2桁勝つんじゃないですか?」 警戒を深めている。