VW「Tクロス」はカッコつけてないけどカッコいい車!? 識者3名が徹底解説!
コンパクトSUVのベストセラーの一角、Tクロスが2024年にマイナーチェンジを果たした。 ▶︎すべての写真を見る 日本の道路事情に適したボディサイズや取り回しの良さはそのままに、フロント&リヤバンパー、フロントグリル、テールランプのデザインを刷新。 また、前車との車間距離、走行レーンの維持をサポートする電子式運転支援システム「トラベルアシスト」が標準装備されていることも見逃せない。 早速、識者3名のご意見を伺っていこう。
販売台数どおりの実力
Tクロスは輸入車のSUVカテゴリーにおいて、最もコンパクトなセグメントに属するモデルです。その寸法はトヨタのヤリス クロスに類似しています。 土台の骨格はポロと共有していますが、今やこちらのほうが売れ筋で、輸入SUVのなかでは第2位の販売台数(2023年)。 ちなみに1位は同じVWのTロックで、こちらはゴルフと土台を共有しています。今やスタンダードなファミリーカーの形がSUVであることを実感させられる次第です。 乗れば利便性の良さを日々感じることができるでしょう。背の高い車が多い昨今、視点の高さは運転のしやすさに直結します。Tクロスは室内高があるぶん運転席からの視野が良く、さらに居住性や乗降性も優れています。 空間有効度はポロより優れる。平たくいえば明らかに便利。そこがいちばんのポイントだと思います。 背が高い=重心が高いということもあって、ひと昔前はこういう車型だと操縦安定性に不満を抱くこともありました。でも現在は設計的にも技術的にもSUVありきですから、その辺もうまいことまとまっています。 癖なくそつなく広範に総意的な仕上がり。そういう車を造らせると、VWはやはりうまいなぁ、と唸らされるわけです。
自動車ライター 渡辺敏史 出版社で自動車/バイク雑誌の編集に携わったあと、独立。自動車誌での執筆量が非常に多いジャーナリストのひとり。車の評価基準は、市井の人の暮らしにとって、いいものかどうか。