「半グレみたいな風貌のやつが家に来て…」 トクリュウも関与の「屋根点検詐欺」が激増! 「詐欺に引っかからなくても闇名簿を作られる」
暴力団からの指示ではない
彼らは全国に点在しているとみられる他、「ルフィ事件」のように指示役が海外にいるケースもある。 「ほとんどの場合、彼らは暴力団から指示を受けて事件を起こしているわけではありません。ただ、“何かあった時のために”ということで月に20万~30万円程度を地元の有力暴力団に納めているケースはよくあります」(先の警察関係者) 元々、トクリュウの主な資金獲得源はオレオレ詐欺などの特殊詐欺だったが、 「警察などの啓発の成果もあり、オレオレ詐欺への警戒感が全国的に高まっている。そこで、より直接的で安直な方へ流れ、闇バイトとして実行役を募って強盗をやらせるケースが増えてきているのです。そうした強盗事件が頻発していることもあり、国民の体感的な治安は相当悪化しています」(同)
「アメーバのように増殖する」
元警察庁科学警察研究所犯罪予防研究室長の清永賢二氏が言う。 「この4~5年で増えてきたトクリュウ型の犯罪では、指示役と実行役の間に秘匿性の高いアプリの壁があるため、芋づる式に摘発というのは難しい。その上、指示役の指令にうんざりした実行役が新たに指示役に回り、実行役を集めてグループを作る例が増えています。アメーバのように次から次へと増殖するので警察は手が回りません」 警察の対応が追いつかない中、犯罪者らの触手はわれわれのすぐそばまで伸びてきている。一軒家に住んでいる人が怪しげな人物の来訪を受けた、というケースが最近になって増えているのは、それを示す現象の一つといえるだろう。
「2年で3人ほど怪しいやつが」
東京・武蔵野市在住の会社役員男性が言う。 「この2年くらいで3人ほど怪しいやつが訪ねてきました。最初にやってきたのは作業着姿の男で“近くで工事をやっている工務店の者ですが、お宅の屋根を見たら大変なことになっている”と。近くの工事で足場を組んでいると言い、“今なら足場を移せば工事できる。足場代をサービスするから”と屋根の修理を持ちかけてきました」 知り合いの工務店に頼んでいるから大丈夫と断るも男は諦めず、「心配なので屋根に上がらせてもらいたい」「雨漏りすると大変」などと食い下がってきたという。 「それでも何とか帰ってもらい、後日、知り合いの工務店の人に聞いたらありがちな手口だと。屋根に上がらせたら最後、自分で屋根をはがしたり壊したりして写真を撮って見せてきて、修理を依頼すると数十万から数百万円の法外な額を請求される、とのことでした」