関東学院大→コロンビア院卒の小泉進次郎を学歴ロンダリング扱い…大学後の学び評価しない"無学"な日本人
首都圏で中学受験が過熱している。今や小学1年生から子供を塾に通わせる家庭も出てきている。一方で、海外の有名大学院を卒業した政治家を「学歴ロンダリング」と指摘する声もある。大学で教鞭を執る2人が、日本人の学歴への考え方について語り合った――。 【この記事の画像を見る】 ■首都圏では5人に1人が中学受験する過熱ぶり 【西田】「日本ってどうなんですか会議」の第2回、今回は「中学受験」と「学歴」というお題を編集部からもらいました。安田さんはお子さんが中学生だと聞いていますが、中学受験は? 【安田】私の家では受験はしませんでした。西田さんのところは? 【西田】うちは1人目が受験して、下の子が控えているところです。以前、安田さんはYouTubeの番組で「中学受験は意味がない」という趣旨の発言をして、ちょっとした大炎上を起こしていましたよね。「ああ、安田さんが燃えてる!」と眺めてました(笑)。 【安田】そうなんですよ。ただ、誤解があるんです。私が言いたかったのは、中学受験が必要以上に過熱化しすぎているのではないか、という問題提起だったので。調べてみると、日本では過去にも何度か「中学受験ブーム」がありました。代表例はバブル崩壊直後の1991年頃やリーマンショック前年の2007年頃です。その後、一度は減少するのですが、現在では再び増加してきています。日本では少子化が進んでいるため、受験者数が同じ水準に戻っていくということは、受験率が昔よりも高くなっているということです。 【西田】首都圏ではおよそ5人に1人が受験に挑むという状況ですからね。 【安田】やっぱり私は競争が過熱しすぎていると感じるんですよ。例えば、これが高校受験や大学受験であれば、本人が自分の意思で進路を選び、競争に向き合うことに価値があるとも思えます。本人による将来への投資と言ってもいいでしょう。しかし、中学受験の場合、親の強い後押しが欠かせません。子供自身が「本当にここまで時間や労力をかける価値があるのか?」と感じている場合も多いと思いますし、そうまでして私立中学や中高一貫校に進学して、果たして将来にどれほどの影響があるのか。小学生の貴重な3~4年を本当に費やすべきなのかどうか。そこのところを、あらためてよく考えてみてもいいと思うんです。 【西田】安田さんは筑駒(筑波大学附属駒場中・高等学校)から東大に行った「受験エリート」です。とはいえ、当時は受験の準備と言っても小学校4年生くらいから始めるのが普通だったんじゃないですか? 僕は6年生から。 【安田】はい。小4の秋から地元の小さな塾に通い始めて、大手の塾に移って受験を意識し始めたのが小5の頃です。受験勉強といえば、2年弱ぐらい集中してやるという感じでした。周りの子たちも似たような雰囲気でした。