【番記者メモ】現役ドラフトで移籍の中日・石垣雅海、ど根性練習で頭部死球の恐怖克服…ロッテでの活躍願う
現役ドラフトでロッテへの移籍が決まった中日・石垣は球団を通じて「入団した頃の気持ちを忘れず、これからも頑張っていきたい」とのコメントを発表した。石垣は山形県酒田市出身で酒田南高から2017年にドラフト3位で中日に入団。プロ4年目の20年9月25日の巨人戦(東京ドーム)でプロ初本塁打を記録した。 【番記者メモ】 いつも明るくて元気いっぱい。先輩にはかわいがられ、後輩からはいじられる。誰からも愛されるキャラを持つ石垣。だがその笑顔の裏側には、恐怖に立ち向かい、克服してきた過去がある。 始まりはルーキーだった2017年7月2日のウエスタン・リーグ阪神戦(ナゴヤ)。当時阪神だった藤浪の剛速球が頭部に直撃した。以降3年間で5度の頭部死球。病院に救急搬送されたこともあるし、そのままプレーを続行して次の打席でヒットを打ったこともある。今や見慣れたものになったヘルメットに取り付けるフェイスガード「Cフラップ」を中日で最初に導入。だが「ピッチャーが投げた瞬間、ほんの少しだけ体が固まるんです」。恐怖した経験に体が支配されていた。 今のままではダメだ、と発揮したのはど根性。新型コロナが列島を襲った20年。中日屋内練習場にある打撃マシンから出る球を最速かつ自分の頭部付近にくるように設定。「踏み込んで、そこから避ける練習を繰り返しました」。同年9月にプロ1号を放ったとき、ヘルメットからフェイスガードは外れていた。「もう無くても大丈夫」と笑っていた。 パンチ力のある打撃と内野ならどこでも守れるユーティリティー性、そしてお立ち台でダジャレをかます度胸が売り。次なる舞台・幕張での活躍を願っている。(長森謙介)
中日スポーツ