AI検索「Perplexity」について知っておくべきこと…評価額80億ドルを狙う一方で大手メディアから訴追（海外）
ウォール・ストリート・ジャーナルなどの親会社であるニューズ・コープは、AIスタートアップのパープレキシティを著作権侵害で訴えている。 パープレキシティは今年、大規模な資金調達ラウンドの実施を目指しているとウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。 この物議を醸している企業について知っておくべきことを紹介する。 AI検索エンジンのパープレキシティ（Perplexity）は、グーグルとの競合を目指すスタートアップであり、有力メディア組織の反感を買ったことで話題になっている。 また同社は大規模な資金調達ラウンドを目指しており、それが実施されれば今年4回目の資金調達となる。ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）が10月20日に報じたところによると、同社は現在5億ドル（約750億円）の調達に向けた交渉を行っており、完了すれば評価額は80億ドル（約1兆2000億円）に達すると目されている。今年夏の30億ドル（約4500億円）の評価額から大幅に跳ね上がることになる。 パープレキシティは多額の資金を調達している一方で、有力メディア組織のコンテンツに不正にアクセスして使用したとして、彼らから非難されている。ニューヨーク・タイムズ（NYT）が10月2日付でコンテンツの使用をやめるようパープレキシティに通知したのに続き、10月21日には、WSJやニューヨーク・ポストの親会社であるニューズ・コープ（News Corp）が同社に対して訴訟を起こした。これは、メディア企業がAIの台頭に苦慮する中で高まる緊張関係を浮き彫りにしている。 Business Insiderはパープレキシティにコメントを求めたが、返答は得られていない。この企業の成長と、なぜ訴えられているのかについて知っておくべきことを紹介する。
著名投資家が支援
パープレキシティは2022年にアラヴィンド・スリニヴァス（Aravind Srinivas）、デニス・ヤラッツ（Denis Yarats）、ジョニー・ホー（Johnny Ho）、アンディ・コンウィンスキー（Andy Konwinski）によって共同設立された。OpenAIの研究員だったスリニヴァスがCEOを務めている。 パープレキシティはAIを活用した検索エンジンで、サブスクリプションによって収益を上げており、まもなく広告の販売も開始するとWSJが伝えている。年間売上高は5000万ドル（約75億円）で、毎日1500万件の検索を処理しているという。 同社はテック業界の大物ジェフ・ベゾス（Jeff Bezos）や、数兆ドル規模のチップ企業であるエヌビディア（Nvidia）からの支援を受けている。 1月、同社は約7400万ドル（約112億円）を調達し、評価額は5億2000万ドル（約780億円）になった。その後、春の資金調達ラウンドでは評価額10億ドル（約1500億円）に達し、さらにソフトバンク（SoftBank）の「ビジョン・ファンド2」が出資すると30億ドルと評価された。
