宮川花子会見(全文1) 医師が病状経過説明「みなさんご安心ください、全部病気が消えています」
2018年3月に腫瘍がきていることがわかる
天野逸人医師:入院に至るまでの経過をご説明します。2018年3月に腰痛で地元の整形外科の方まで受診されているんですが、その時、脊椎のCT検査を行われて、最初は転移性の骨腫瘍ではないかということで、どっかのがんができていて、それが骨に転移したのではと当初疑われました。詳しい検査をしようということで3月20日に奈良医大の整形外科を受診されました。 その時にCTを撮ったところ、病気は第二腰椎と第五腰椎の骨のところに腫瘍ができていることがわかりまして、第二腰椎の生検を行って、まず形質細胞腫瘍ということがわかりました。形質細胞腫瘍がなにかといいますと、血液のがんの一つです。形質細胞ががん化したものです。その中に多発性骨髄腫という病気の名前がも含まれていると。骨がとけていたりとか、骨髄穿刺という骨の中の血を抜く検査があるんですけど、それで骨の中にがんの細胞が10%以上いれば、その時点で多発性骨髄腫という病名になるんです。 最初その検査をしたんですけども、花子さんは骨髄には病気がなくて、骨のところの2か所だけに病気があるということがわかりまして、そういった状態では多発形質細胞腫瘍と呼びます。そういう状態でしたので、治療としましては骨のところに放射線をかける治療を最初されています。
いったん病気が落ち着いた時期も
その時点ではお仕事もされてましたので、外来通院で治療できるというところで、大阪市内のクリニックへ行かれまして、そこで放射線治療を受けておられます。入院されずにですね。その状況で、いったんその病気は落ち着いてまして、しばらくPET-CTという検査があるんですけど、そういった検査をしましたけども、異常がないということがわかりまして、しばらく無治療で観察しましょうということになって、その間は奈良医大で私が診察をさせていただいてたんです。2か月に一度くらいのペースでという形でした。 その病気の悪なったかどうかという検査で「フリーライトチェーン」という検査がありまして、その値が高くなれば病気は悪くなるという病気の勢いを見ることができる検査があるんですね、血液検査です。それでずっと様子を見てたんですね。それで放射線をあてたところ、だんだんその値はよくなっていってたんですが、治療前が44.34という値で、正常値は1に近いんですね。放射線をあてたところ、25.63、2か月ごとに調べて、16.58、最終的には5.75まで下がって、非常に放射線の治療がよく効いているなといってた状態やったんです。 ところが2019年1月ごろにですね、経過観察のフリーライトチェーンという検査をしましたところ、検査の値が55.67と急にポーンと跳ねあがりまして、病気がまた悪くなっているんじゃないかと疑われました。それで再度PET-CTという検査を行いましたところ、今度は病気が広がっている範囲が2か所ではなくて、いろんなところにそういう病気の塊ができてしまっているということがわかりまして、その時点ですぐ入院して頂いて、化学療法っていうんですけどね、がんの治療には、手術と放射線治療と化学療法というのがありまして、化学療法をこの病気では行うことになり、その治療を受けてくださいということでご説明しましたところ、仕事の都合もあり利便性もあるということで、わざわざ奈良医大の方まで来られるのは利便性が難しいかなということで、大阪市内の某病院で治療を受けたいということで紹介をさせていただきました。