【陸上】五輪シーズンにキングとクイーンの座に就くのは!?丸山優真、山﨑有紀が連覇に挑む/日本選手権混成
第108回日本選手権・混成競技が6月22、23日に岐阜メモリアルセンター長良川競技場で行われる。パリ五輪代表選考会を兼ねた一戦の注目選手を見ていく。 【動画】日本選手権混成のライブ配信をチェック! 男子十種競技の優勝候補は丸山優真(住友電工)。前回は7816点で初優勝を飾った。高校時代から期待されてきた大器にとって、昨シーズンは飛躍の年となった。アジア室内(七種競技)、アジア選手権で金メダルを獲得し、ブダペスト世界選手権にも出場。その大舞台で世界選手権日本人最高得点となる7844点(日本歴代6位)の自己新を出す強さも特徴だ。 昨年から混成強豪国のエストニアで武者修行するなどレベルアップを図った丸山。ただ、パリ五輪を狙って欧州転戦するその初戦となった4月末のマルチスターズ(イタリア)を途中棄権した。棒高跳の着地時に脚を痛めたという。これまでもケガをするたびに“超回復”して強くなってきた。日本選手権に向けてどれだけ調整してくるか。 日本歴代3位の8008点のベストを持つ奥田啓祐(ウィザス)も故障から復調途上。日本人3人目の8000点を超えた2022年にした疲労骨折が長引いた。昨年は十種競技を一度もこなせなかったが、今年5月の記録会で復帰して7231点をマーク。ここから状態は上がっているだろう。2年ぶり2度目の王座奪回を狙う。 丸山は大柄ながら110mハードルや棒高跳でも好記録を持つ。近年はパワーがつき、投てきで自己記録を伸ばしている。奥田はスピードが武器。元やり投選手で、5月の試合では62m35と社会人ベストを投げた。 今季、急浮上したのが、丸山と高校時代からのライバルである森口諒也(オリコ)だ。4月の日本グランプリシリーズ対象大会となった東京混成では7445点の自己新で優勝した。また、昨年アジア選手権とアジア大会で日本代表になった田上駿(陸上物語)も初優勝のチャンスがありそう。 日本記録(8308点)保持者で、8度の優勝を誇る“レジェンド”右代啓祐(国士舘クラブ)も健在。米国で7164点を積み上げている。なお、関東インカレで7235点を出した大学ルーキーの高橋諒(慶大)はU20日本選手権にエントリーしている。 女子七種競技は山﨑有紀(スズキ)、大玉華鈴(日体大SMG横浜)、ヘンプヒル恵(アトレ)の3強か。 5975点の日本記録を持つ山﨑は、18~21年の4連覇と昨年Vで5度の優勝を誇る。昨年はアジア選手権で銅メダルを獲得。アジア大会でも5位に入った。スピード、パワーのバランス型で、ここ1、2年や各種目のベストからやや下回っているが、冬季はケガなく順調に積んだ。噛み合ってくれば一気に浮上するだろう。今季は5月の記録会で5618点だった。 大玉は2020年以降、2位、2位、3位、2位。昨年は5720点の自己新(日本歴代5位)を出しながらも山﨑に屈して涙を流した。それでもアジア選手権、アジア大会で代表になるなど成長。この冬はやや故障もあったが、5月の記録会で5410点と復調した。日本選手権に照準を合わせている。1m78のベストを持つ得意の走高跳などで得点を上積みしたい。 自己記録は5907点(日本歴代3位)で、過去3連覇を含む4度の優勝があるヘンプヒル。昨年はケガで出場を見送ったが、米国を拠点に状態は上向いている。やや脚に違和感がありつつも4月末のマルチスターズでは5688点。大会2週間前の記録会ではやり投まで出るなどコンディションを確認した。スピードは戻りつつあり、得意とする1種目めの100mハードルで流れを作れるか。 前回3位に入った熱田心(岡山陸協)、4月に5435点を出した萩原このか(デカキッズAC)、水谷佳歩(中京大院)らが上位をうかがう構図だ。 土日はあいにくの雨模様のようで、日曜日には雷の予報もある。パリ五輪の参加標準記録は男女とも日本記録よりも高く厳しいが、いずれもタレントはそろう。まずは8000点・6000点を見据えたハイレベルな戦いが期待される。 大会の模様はライブ配信される。 十種競技/1日目100m、走幅跳、砲丸投、走高跳、400m、2日目110mH、円盤投、棒高跳、やり投、1500m 七種競技/1日目100mH、走高跳、砲丸投、200m、2日目走幅跳、やり投、800m
月陸編集部