1分で終わる簡単検査で「命を救える」!? 呼吸器検査で発見できる「重大な病気」の正体とは
毎年1回は受けることが義務付けられている職場健診。健診結果の異常を示す「*」がついた数値には、実は気にしなくて良いものもあれば、今すぐに再検査を受けなければならないものもある。果たしてあなたは診断結果の本当の意味を理解しているだろうか。 【漫画】くも膜下出血で倒れた夫を介護しながら高齢義母と同居する50代女性のリアル BMI・血圧・尿糖・眼底など項目別にその検査結果の正しい見方を解説した『健診結果の読み方』(永田宏著)より一部抜粋してお届けする。 『健診結果の読み方』連載第10回 『職場検診の胸部レントゲン検査は「意味がない」...!? 毎年恒例の検査を「受けなきゃいけない」本当の理由』より続く
呼吸器検査の測定項目
呼吸器検査は職場健診の必須項目に入っていませんが、取り入れている会社は多くあります。肺の病気のスクリーニングに役立ちます。 この検査は「スパイロメーター(スピロメーター)」と呼ばれる装置を使って行います。鼻をクリップで止め、プラスチックのマウスピースを咥えて、息を吸ったり吐いたりを繰り返す、という単純な検査です。時間は1分程度で終わります。 検査技師がすぐ隣に立って、手をぐるぐる回しながら「吸って!」「吐いて!」と大きな声を掛けます。それにしたがって吸ったり吐いたりするのですが、初めての人は思わず失笑してしまいそうになる検査です。 測定項目は「肺活量」「努力肺活量」「1秒量」の3つです。 肺活量は空気をいっぱいに吸ってから、すべて吐き出したときの量で、男性では3500cc、女性では2500ccが一応の目安とされています。 努力肺活量は、空気を全力(最大限の努力)で吐き出したときの量です。普通の肺活量とほとんど同じですが、喘息や気管支炎があると、咳き込んでしまって努力肺活量のほうが少なくなる傾向があります。 1秒量は、最初の1秒間で吐き出された空気の量のことで、これと肺活量を組み合わせて「1秒率」を計算して使います。最初の1秒で、肺活量の何パーセントを吐き出したか、という数字です。