資金流入額トップを爆走する先進国株式、バランス型やREITにも資金流入が拡散=DC専用ファンド(2024年3月)
「DIAM 8資産バランスファンドN<DC年金>」は、国内株式10%、国内債券57%、先進国株式10%、先進国債券3%、新興国株式5%、新興国債券5%、Jリート3%、先進国リート3%、短期金融資産4%の基本アロケーションとしたバランスファンドで、債券への投資比率が65%を占めている。「分散投資コア戦略ファンドS」は、日本や先進国の株式・債券に加え、新興国の株式・債券やリート(不動産投資信託)、コモディティ、ヘッジファンド。「株式」「リート」「コモディティ」への投資割合の合計は、原則75%未満とし、安定性と収益性のバランスを重視した運用を行う。リスク資産への資産配分比率が比較的高いポートフォリオで運用している。
DC市場においては、バランスファンドが「デフォルト・ファンド(加入者が運用対象を指定しなかった場合に、自動的に購入対象となるファンド)」に指定されるケースが多い。このため、資金流出入において、単純な加入者の選択の結果ではなく、「デフォルト・ファンド」への指定が、流入要因になることもある。このため、バランスファンドの資金流入額上位入りを、単純に人気復調の兆しと捉えることはできないが、DC市場全体で「バランス型」への資金流入が目立っていることは事実であり、「株式」に一方的に偏っていた資金流入状況が少し、横に広がり始めたといえよう。
この資金流入額が分散化は、やはり、日米の主要な株価指数が史上最高値を更新する高値に押し上げられ、一定程度の高値警戒感が出てきているのだろう。「バランス型」や出遅れ感が指摘される「REIT」などに資金が向かっているのは、その警戒感の表れだろう。ただし、株式市場関係者は、今年の米国GDP成長率予想が、2023年末時点では0.6%程度の成長見通しで、1~2四半期でマイナス成長もあり得るという市場コンセンサスから、今では2%成長の予想となり、米国経済が成長を継続する「ゴルディロックス(適温相場)」といわれる状況すら想定されるようになっている。適温相場であれば、米国株式市場の株高は継続し、現在の「先進国株式インデックスファンド人気」も続くことが考えられる。今後の行方に注目したい。